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タイムアスモデウス
ごー
タイムアスモデウス
Katherine
ごー
闘う乙女は美しい
■タイトル  作品化済み

ヒロイン討伐 スパンデクサー最後の戦い スパンデクサーVS残酷妖魔ハンター [No.2885]

■プロット
※戦闘シーンの描写を大幅に修正しました。かなり読みやすくなったと思います。
【基本コンセプト】
これは正義の使命に燃える美しく可憐な一人の少女が、同じく正義の使徒である妖魔ハンターの繰り出す必殺奥義により次第に命を削り取られ最終的に絶命し恥辱の限りを尽くされるまでを詳細に描いた心理ドラマである。主人公が暴力の限りで痛めつけられるシーンの描写を通し「あるべきヒロインの理想像は何なのか?」という哲学的命題に答えようとするものである。現在のヒロイン物は全て単なるAV物の域に留まっており確固たる哲学を確立することが出来ていないのである。ヒロインドラマは人類が今だ経験したことのない最高のエンターティンメント芸術となり得る大きな可能性を秘めていると確信する。そしてこの作品は今後1000年の間隆盛を極めるであろうヒロイン芸術の先駆けとなる記念碑的な作品なのである。衝撃のラストシーンに至るまでを読み切った視聴者はそのあまりの感動の深さのため、この作品以外のどのようなイメージももはや受け付けることが出来なくなるでありましょう!!!

【登場人物】
1:スパンデクサーコスモエンジェル:ショートカットのボーイッシュな髪型、肩は盛り上がり隆起した胸の谷間、腹部はよく鍛えられて引き締まっている。男性的な魅力に溢れた究極のヒロイン。しかし、胸部から腰そして太ももにかけての流線は理想的にくびれて蛇行しておりあくまで女性としての特質が強調されている。上半身は濃青のお馴染みの戦闘スーツ、下半身は赤いボトムズの水着スタイル。特にボトムズはお尻の部分を比較的広めに覆うタイプで体の線をクックリ浮き彫りにするようフィットしており筋肉質な彼女のお尻の稜線と盛り上がりそして割れ目がセクシーに浮き立つ仕様である。

2:妖魔ハンター・神楽(かぐら):スパンデクサーが最初に闘うことになる凄腕の女性妖魔ハンター。かって中国大陸に君臨した「清王朝」の女道士を彷彿とさせる白を基調とした派手な毒々しい柄の道士服。顔はやはり中国の伝統芸能「変面」を思わせる彩色豊な化粧。妖怪達を調伏するために編み出された正義の奥義を連発しスパンデクサー死の淵に追い詰める。

3:妖魔ハンター・金剛(こんごう):スパンデクサーが2番目に闘うことになる巨魁剛腕の男性妖魔ハンター。金剛、つまりダイヤモンドの硬度を誇る肉体を得んがため自らの命を断ち切り、妖魔ハンター・神楽(かぐら)の秘術により不死の霊体となって復活した存在である。いでたちは黒を基調とした中国の葬祭服であり腹部には派手な龍の刺繍が施されている。チャイニーズな見た目からは想像も出来ないような現代プロレスの荒技を繰り出してスパンデクサーの肉体をズタズタに引き裂いていくぞ。

4:華原静香(かはら しずか):この物語の悲劇のヒロイン。12年前の悲惨な事件の影響で今や公開処刑を待つばかりとなっている。男性的な魅力を持つスパンデクサーに恋心にも似た憧れを抱いている。しかし、その正体は・・・。

【あらすじ】
12年前の嵐の夜、世界一周航海を終えて港に帰港した豪華客船の中で起こった惨劇!乗客は全員何者かによって惨殺され、床や壁は一面乗客の血とどこから入り込んだのか分からない大量の泥によって埋め尽くされていた。
そしてただ一人の生存者・華原静香(かはら しずか)当時11歳の姿だけがそこにあったのである・・。

それから12年経過した20××年のとある日。華原静香は成人して23歳になっていた。12年前の事件の真相は全く分からず犯人の目星が全くつかない状態であった。そのためごく普通の女の子でかつ護身術等の武術を何ひとつ身に付けない華原静香一人が生き残ったことに対して世間は奇異の目を向け、勢い「魔性の女」あるいは「異形の者」というレッテルが華原静香に貼られることとなったのである。華原静香はごく普通の女性としての幸せを享受することすら許されず篤志家の援助のもとでひっそりと生きてきたのであるが、現在では人形制作者として影のように一人生計を立てる身となっている。

そんな彼女の唯一の生きがいは男性のように強靭な肉体を持ち、かつ汚れなき清楚な美しさを兼ね備える正義のスーパーヒロイン・スパンデクサーの活躍であった。スパンデクサーが悪の組織と戦う映像は全件テレビ生放送され高視聴率を持って人々に迎らえていたのであるが、華原静香もスパンデクサーの熱烈なファンの一人であり常に熱烈な応援ハガキをしたためることを怠らなかったのである。彼女はスパンデクサーの躍動する力強い弾力のある肉体にまるで異性に対する恋愛感情のような憧憬を覚えるのである。そして、何よりもスパンデクサーが敵との激闘の末に勝利した瞬間に見せるあの優しさに満ちた輝く笑顔・・・。この笑顔が孤独な華原静香にどれだけ生きる勇気を与えてきたことか。しかし、あの忌まわしい事件以来ずっと異性と付き合うことを許されなかった彼女にしてみればこの疑似恋愛は決して非難されるべきものではないであろう・・。

ところで某犯罪都市・・。ここは悪の大幹部が都市の行政・立法・司法の全権力を掌握し、市民生活の隅々までをも管理して人権を完全に無視した支配が行われていた。しかし、幾度となく繰り返されるスパンデクサーの活躍のため支配体制は崩壊寸前となり、そのため大幹部は自分達の支配の正統性を広く市民に認識させるための一大イベントを企画し実行に移すことにする。すなわち、12年前に発生したあの禍々しい凶悪な事件の記憶を呼び戻し真犯人を逮捕してこの者を公開処刑するというであった!!

12年前当時の政府はやれ人権尊重とか、やれ刑事手続きの公正さ、取り調べの透明化などと標榜し結局は十分な証拠が得られないことの故に犯人不明のまま事件を迷宮入りさせていたのである。しかし、我々の政府はそのような軟弱な対応は取らない!!我が支配体制において断罪されるべき悪はいかなる手段をもってしても断罪されるべきなのである!そして、この凶悪な事件の真相を突き止めた!というのである。つまり、事件の唯一の生存者である華原静香こそが実は魔術を多用する妖魔であり彼女がその恐ろしい悪の妖力でもって罪の無い多くの人々を惨殺したというである。

華原静香は保安警察により連行され身柄を拘束されたまま処刑を待つばかりの身となった。彼女の処刑はテレビで放映される予定となり、処刑に至るまでの間連日テレビでは12年前の事件の経緯や彼女の12年間の足跡等が放映され人々から熱狂的支持をもって処刑当日を迎えようとしていたのである。
しかし、悪の都市政府側はこのイベントを最大限に盛り上げるべくもう一つ舞台装置を用意していたのである。すなわち、この公開処刑を必ず邪魔しにやって来るであろうスパンデクサーを想定し華原静香の公開処刑と併せスパンデクサーをテレビ放送を通じ全民衆の眼前で公開リンチの方法により抹殺するというのである。スパンデクサーの民衆に対する絶大な人気を考慮し、この点は政府側も秘中の秘とし、公開初処刑の当日まで決して公開することはなかったのであるが・・。その代わり、「華原静香は妖魔である。従って処刑当日には必ず妖魔の仲間が彼女を救いにやってくる。だが心配することはない!!腕利きの妖魔ハンターを配置し万全の態勢でもって迎え撃つ手筈であると。すなわち、
支配者:「妖魔ハンター・神楽!そして妖魔ハンター金剛!悪鬼・華原静香を取り戻すべくやって来るであろう悪の妖魔を打ち漏らすな!必ずや返り討ちにするのだ!」
二人の妖魔ハンター:「ハハー。お任せ下さりませ!」

スパンデクサーはこの公開処刑のニュースを聞いた時から華原静香を必ず救い出そうと固く心に決めていた。彼女がいつも実名で送ってくれる心のこもった応援のハガキにはいつも励まされていた。「何としてでも彼女を救い出さなくては」スパンデクサーの心に今までで一番熱い思いが炎となって燃えたぎっていた。

【戦闘シーン その1:VS妖魔ハンター・神楽】
体格的に言えばずっと大柄なスパンデクサーと小柄できゃしゃな妖魔ハンターとの一騎打ち。一見すると圧倒的にスパンデクサーが有利に見える。しかし、太古原始社会における獣狩りの情景を思い出して欲しい。小さな人間が知力と巧みな罠でもって巨大な獲物を見事に仕留め屠り去っていたではないか。まさに血に飢えた妖魔ハンターによる残虐な「スパンデクサー狩り」の火ぶたが切って落とされたのである。

スパンデクサーは得意の肉弾戦で何回も何回もパンチ・キックを繰り出すが素早く立ち回る神楽の身のこなしのためヒットすることなく全て空を切る始末。神楽の不敵で余裕しゃくしゃくな笑み。隙を見てスパンデクサーの赤いマントを奪い取る神楽。奪い取ったマントをクルクル細く短く巻き取り「こん棒」状の武器に変えてしまう。スパンデクサーは少し驚きの表情。神楽はこの武器を用いて効果的にスパンデクサーの腹部にまず一撃を食らわせる。

スパンデクサー「グフッ!」

低くうめきながら体をくの字に曲げるスパンデクサー。しかし、すぐに態勢を立て直し神楽に向けて必殺のパンチをヒットさせる!と思いきや、何!?な、なんと神楽は人指し指一本でスパンデクサーの渾身のパンチをいとも簡単にピタリと受け止めてしまったではないか!?

これにはさすがのスパンデクサーも不可解に満ちた驚愕の表情。この隙に先刻スパンデクサーのマントを加工して出来上がった武器でスパンデクサーのお腹にもう一撃!お腹に敵の武器がめり込む映像がアップで映し出されるぞ!「メリ、メリ、メリ!」ときしむ異音を上げながらドリルのように彼女のお腹に食い込んでいく異様な武器の影響力!アップで映し出された彼女の苦悶の表情(口は開かれ舌が思わず外に露出し、眼球が飛び出るばかりに目は大きく見開かれて)と共に、

スパンデクサー「ヴンッ!ウグッ!ヴフッ!」

低く鋭いうめき声と共に体を90度近く折り曲げて大きく後方への後退を余儀なくされる。

プロットの冒頭でも書いた通り今回のヒロイン・スパンデクサーは文字通り男性的な魅力に溢れた闘士である。敵からダメージを受ける時のうめき声や悲鳴は男性的で低い声の場合が多く、このことがまた一部の熱狂的なファンの心をつかんでいるようなのであるが・・・。

さて、敵の必殺の一撃を受けたスパンデクサーである。片手を床に付き、片方の足の膝を床についたまま腹部をもう片方の手で押さえながら、

スパンデクサー「ウウッ、クッ・・・。ハア、ハア、ハア・・」

荒い荒い吐息の凄まじい連続!!この戦いがいかに彼女にとって辛くけわしいものであるか容易に想像がつくのだが、戦意の衰えない厳しい視線で神楽をにらみ返す!!

容易ならざる戦いの前途に思いをはせながらゆっくりと立ち上がるスパンデクサー。

スパンデクサー「こちらからまともに攻撃を仕掛けるのは分が悪いわ。敵が
攻撃を仕掛けて来るタイミングに合わせカウンター攻撃の一撃で一気にケリをつけるしかないわ」。

両腕をゆらりと腰の両端の辺りに下ろし、両足を適度に広げた状態で少々脱力したようなポーズ。顔はやや下向きのまま両目を閉じ瞑想するかのようなスパンデクサー。

スパンデクサー「目は閉じているけど私の神経はナイフのように鋭く研ぎ澄
まされているわ。近づく者は誰であっても完璧に捉えることが出来るわ。さあ、どこからでも攻撃してきなさい」。

静寂の中で目を閉じリラックスするように立ちすくむスパンデクサー。時間だけが過ぎ去っていく感覚なのだがいっこうに敵は攻撃を仕掛けてこない。否、映し出されている映像には両目を閉じてたたずむスパンデクサー1人だけがそこに在り、肝心の神楽の姿は消え失せてそこからいなくなってしまっているではないか!?視聴者から見ると目を閉じて一人神経を集中させるスパンデクサーがまるでバカのように映るのだが両目を閉じ全神経を集中させている彼女はそんなこと知る由もない。ただ敵が攻撃を仕掛けて来るのを今か今かと待っているのであるが・・・。

スパンデクサー「お、おかしい!?攻撃してくるどころかさっきから神楽の気配が全く消えて無くなっているわ。気配を完全に消すことが出来る人間がこの世にいるの?!」

次第に焦燥の色がスパンデクサーの顔全体を覆うようになり、彼女の顔、足、お腹からは滝のように汗が流れ出てきている!!そもそも、この作戦を主導したのはスパンデクサー自身である。数多の闘いでつちかった自分の精神力には絶大の自信を持っていたし、確実に勝利を得られる確信もあったのだが・・・。

スパンデクサー「何?・・この感覚は?体の震えが止まない・・。こ、怖い・・。」

パンッ!!スパンデクサーの顔のマスクが空中高く跳ね飛ばされたその瞬間、両目を「カッ」と開けたスパンデクサーの顔がアップで映像に映し出される。

スパンデクサー「ハッ!?」

しかし、驚きの一声を上げるいとまもない。見るといつのまにか天井から吊るされた太いしめ縄がスパンデクサーの首に巻き付けられているではないか!
そのまま神楽が天井に据え付けられた車輪を勢いよく「ガラ、ガラ、ガラッ」と回し、その機械音と共に天井目掛けて吊し上げられていくスパンデクサー!!

スパンデクサー「アグァァァァァーーー!!」

スパンデクサーのドス黒い悲鳴!!罠だ!さあ人間達よ、無意識に眠る太古原始時代の記憶を呼び覚ませ!!今この女の喉から絞り出されている悲鳴は仕掛けた罠に落ちて死の淵へ叩き落される獣の叫びそのものなのだ!
そしてこの格闘をテレビ放映を通じて見ている民衆達の黒い興奮は最高潮に盛り上がっていくのである!

スパンデクサー「ウッ、クッ、アック!ウゴッ!ゲボッ!ガホッ!」

男のように低い太いうめき声!息が出来ず身をよじるような苦しみ!しかし必死に両手をあらゆる角度からしめ縄にあてがいあてがいして拘束から解放されようとするもののかなわない。しめ縄が太く頑丈なため彼女の抵抗を全く受付ないのだ。口は真っ直ぐに上を向き酸素を求めて「パク、パク、パク」と魚のように何度も開閉する。アップで映し出された彼女の下半身は汗ぐっしょり。痙攣までも起こしている。ただただ空中でのたうち回るスパンデクサーの悲劇的な映像が延々と流れていく。人間たちの仕掛けた罠に捕らえられたあげく必死に逃げ切ろうとすさまじい勢いで抵抗する獣のように・・・。

いったいスパンデクサーは何時間こうして空中に吊り下げられてしまっているのだろうか?見ている聴衆の感覚が麻痺してしまう程に強烈な恍惚の時間が続いた後やって来たのはこれとは対照的な静寂の時間である。
さっきまでのような激しい抵抗する力はとうに消え失せ、空中に吊るされたまま心臓の鼓動の如く規則正しい痙攣運動をするスパンデクサーの汗まみれの肉体。瞳は茫然となり、顔全体の表情は遠くを見つめるかのよう。あの強く美しく清楚だった我々のヒロインがここまでぶざまで哀れな姿態を多くの民衆の前にさらけ出すことになるとは誰が想像したであろうか?
そして視聴者全員がスパンデクサーの窒息死を確信した瞬間スパンデクサーの全身から放たれる輝く光のオーラ!

ドサッ!特有の超能力でようやく拘束を脱したスパンデクサーだが先程の窒息寸前の苦しみと大量のエネルギー消耗は避けることが出来ない。

スパンデクサー「ハア、ハア、ハア、ハア、ハア・・・。ゲホ、カホ、ウホッ。」

激しい吐息の嵐。手で喉元を抑えながら身をかがめ苦しみの余韻に浸りきりである。

小柄な神楽は不敵な笑みを浮かべながら「スパンデクサー、お前は先程の神経戦において私の術に負けたのだ。お前の精神力は私が今まで見た中でも一番脆弱でもろかったぞ。精神戦で敗れた者に勝利はあり得ぬ。お前にふさわしいみじめで惨たらしい死を与えてやろう」。

神楽は取り出した派手な色彩の旗を部屋の奥に吊るされた黒いカーテン状のシーツ目掛けて投げつける。カーテンがスーと開かれて中から巨大な敵妖魔ハンター・金剛が黒い後光を放ちながら現れた!!

【戦闘シーンその2:VS妖魔ハンター神楽&妖魔ハンター金剛】
2対1のハンディキャプ戦。神楽一人に対しても勝ち目の薄い絶望的な戦いを強いられていたスパンデクサーにとって悪夢と呼ぶにふさわしい光景であろう。まして正義のヒロインにとって十八番ともいうべき精神戦でまさかの敗北を喫した直後である臆病風にふかれているのではないか?」聴衆の間に不安がドッと広がっていく・・。

しかし、実はスパンデクサーは弱音を吐く気など毛頭も無い。確かに精神戦を逆手に取られて敗北したことは痛かった。だがそれ以上に今の彼女の中には凛とそびえ立つ崇高な使命感が一筋の炎となって燃えたぎっているのである。衰えない闘志を確認するように口元の汚れを「スー」と拭い去るスパンデクサー。ここからが本当の闘いの始まりなのだ!両の眼には固い反撃の決意がみなぎっている。

背後に巨魁・金剛の影響力をヒシヒシと受けながらなんとか宿敵・神楽に対して一撃を見舞おうとパンチ・キック・空手チョップを繰り出すスパンデクサーだが驚異的な神楽の身体能力の前に全ての技が空を切る始末。対して神楽は先刻スパンデクサーのマントと加工したこん棒を効果的に使用しスパンデクサーの顔面やお腹に効果的に攻撃をヒットさせ続ける。一つ一つの攻撃は決して重たいものではないが攻撃を受ける度ごとに

スパンデクサー「ヴッ!」「ウホッ!」「ガホッ!」

鋭く低く響き渡るスパンデクサーのうめき声とその痛々しい様子からして神楽の攻撃の切れの鋭さがうかがえるのである。

神楽が少し後方に下がりやや勢いを付けてスパンデクサーの腹部に蹴りの一発を見舞う!その動きはまるで曲芸のように軽やかでスパンデクサーの鋼の体にまともにヒットしたところで逆に足の方が折れてしまうかのような繊細な印象を与えるだが、どうして、どうして。「メリ、メリ、メリッ」ときしみ上げながら蹴りの一撃のため徐々に落ちくぼんでいくスパンデクサーの腹筋。背景一杯に映し出されるのは半開きの口からヨダレのような粘液を垂らし、両目が複雑な角度で曲がっているスパンデクサーの苦悶の表情。
スパンデクサー「ゲフッ!ウホッ!グホホホッ!」
スパンデクサーの体は90度近く折れ曲がりそのまま凄まじい勢いで後方へ
後ずさり!!

スパンデクサー「ポン!ポン!ポン!ハア、ハア、ハア、ハア・・・。」

激しい吐息の嵐!そこへスパンデクサーの背中目掛けて背後から金剛の振り下ろす強烈な一撃!!

反射的に片方の膝をドサッと床に付くスパンデクサー。金剛は容赦なくスパンデクサーの髪を鷲掴みにし、無理やり立ち上がらせた上で喉元目掛けてまずは鋭い垂直チョップをまず一発!

喉元は人間にとって急所中の急所である。肉体を鋼のように鍛え上げても喉元だけは生まれたての赤子のように柔らかである。そこにダイヤモンドの硬度を持つ化け物のの垂直チョップが入れられたならいったいどなるであろうか?

スパンデクサーの喉元がアップで映像に映し出される。ビデオのコマ送りのように垂直チョップは工事現場のドリルよろしくスパンデクサーの喉元に食い込んでいく。

スパンデクサー「ウッ!」

甲高くシャープな悲鳴と共に空中高く突き上げられていくスパンデクサー。そのまま床にドサリ!

スパンデクサー「アフッ、ケホッ、ウホッ」

経験したことの無い痛みに身をよじりながら床を転げ回る。その度に床に付着している黒い汚れがスパンデクサーの青と赤を基調としている戦闘スーツが汚く汚していく。対する敵二人は戦闘開始から無傷の状態であるため服に汚れは付着しておらず綺麗なままである。

我々の正義のヒロイン・スパンデクサー。正義の使徒であるはずのあなたが何故ここまで徹底的に汚されているのに、憎むべき悪魔の敵はこんなに綺麗なままなのか?理不尽なアンバランスに聴衆は言い知れぬ興奮と悲壮感を味わうのである。

床に這いつくばるような姿勢のまま喉元をさすり必死に首の痛みに耐え続けるスパンデクサーだが、金剛の破壊的な攻撃はここから本領である。

金剛はスパンデクサーの顔面を右脇に抱えダイヤモンドの体をフル活用して万力のようにスパンデクサー顔面を締め上げにかかるぞ!!
「グリ、グリ、グリ、グリ、グリ!」
いやな鈍い金属音!スパンデクサーの頭蓋骨がきしみをあげているのだ。

スパンデクサー「アアアアアアアア~ッ!」

声にならない声で悲鳴の吐息を上げるスパンデクサー。両手で必死に金剛の太い腕の拘束を解き放なとうとするが無理、無理、無理!足は痛みに耐えかねて床を必死にかき回す仕草をしている。スパンデクサーの苦痛を楽しむかのような金剛の楽しそうな笑み。そして、両足とお尻の筋肉を必死に揺さぶるスパンデクサーの哀れな姿を背後から眺めてこれまた楽しそうに笑顔で微笑みながら見つめる神楽。なんというアンバランスな光景であろうか・・。

そして金剛はその態勢のままもう片方の腕をグーの状態にしてスパンデクサーの顔面フロントの真正面に強烈な一発!

スパンデクサー「ガホッ!」

思わず唇、鼻の辺りを手で押さえながら背後にもんどり打つ!しかし、休む暇は与えてはもらえない。再三、金剛に掴まり同じ姿勢で顔面フロントに強烈なグーの連続攻撃、攻撃、攻撃、攻撃!!金剛は彫刻家の如く丹念に丹念にスパンデクサーの顔面を削り取っていく!

一連の攻撃がようやく休止された。スパンデクサーは顔面を両手で押さえながら完敗のポーズで床にひれ伏している。手で隠されていてよく分からないのだがスパンデクサーの顔面はもはや原型をとどめていないのではなかろうか?彼女の指の間からポタ、ポタ、ポタと滴り落ちる赤い鮮血が彼女の顔面崩壊に対する我々のイメージをリアルにかき立てるのである。

しかし、スパンデクサーも比類なき強靭な肉体の持ち主である。捉えどころの無い神楽とは異なり肉弾戦オンリーの金剛にいつまでもやりたい放題やられるわけにはいかないのだ!反転、一気に反撃に転ずるスパンデクサー。彼女の顔は鮮血のため口元を中心に赤く染まっているが顔面は以前と同じく美しく凛としたままである。何故か?ノミで木彫り細工を彫るように顔を削り取られていたはずなのでは?否、もはや理屈ではない。これこそ天使のように気高く熱い使命感のなせる奇蹟に他ならないのである!

スパンデクサーは軽快な身のこなしとフットワークを生かし何度か効果的な一撃を金剛にヒットさせることに成功する。そして片方の腕に全身全霊のエネルギーを込め金剛に対し必殺の一撃を見舞おうとポーズに入ったスパンデクサー!

そこへ突如、神楽が呪文の書かれたお札のような物をスパンデクサーの額へ貼り付けたではないか!!そのままの態勢で周囲の時間が止まってしまったようにピタリと動きを停止させられるスパンデクサー。金剛がニヤニヤといやらしい笑みを浮かべながらスパンデクサーに近づき、手に持った灯油缶でしこたまスパンデクサーの後頭部を背後から一撃!その瞬間に神楽が一気にお札をスパンデクサーの額からはがし取る!同時に体の自由と時間を取り戻したスパンデクサーは口から異様な液体を「ブッ!」と吐いて床に倒れ込む。

スパンデクサー「ゲホ、ゲホ、ゲホッ、ゲホッ!」

汚い液体を床に吐きながらうずくまる。後頭部にまともに一撃を喰らい両目は朦朧とし体のバランスを上手く取ることが出来ない状態である。フラ、フラ、フラと覚束ない足取りで上手く立ち上がることが出来ない。

スパンデクサー「軽い脳震盪を起こしているみたい・・。ハア、ハア、ハア、ウッ!ケホッ!」

口から断続的に溢れ出る汚液のため時折口元に片手をあてがいながら覚束ない足元で必死に立ち上がろうとするスパンデクサー。その度にドサッ!!脳にダメージを負っているのかバランスを失い崩れ落ちてしまう

スパンデクサー「お願い、私の体!わ、私まだ死ぬわけにはいかないの!」

スクッと立ち上がったスパンデクサー。そして、まだまだ戦意の衰えない視線で敵を睨みつけるや、攻撃態勢に転じるスパンデクサー!しかし、

ブオオオオオオオー!!

魔界の炎が突如、傷だらけの彼女に襲い掛かる!!

スパンデクサー「ウ、ウワァァァァァァァーーーーー!」

凄まじい高温で襲い掛かる魔の手を両手の防御で何とか持ちこたえようとするスパンデクサー。しかし、炎の勢いがあまりに強く徐々に追い詰められてジリジリと後ずさりを余儀なくされる。大蛇のようにカッ!と開いた口から炎を吐きスパンデクサーを焼死に追い込もうとする神楽の凄まじい形相!

そして、炎から必死に身を守るスパンデクサーの背後から金剛がゆっくりと近寄り無防備なスパンデクサーの首へと強烈な垂直チョップが入る!

スパンデクサー「ウハァッッッ!」。

襲い掛かる炎と喉元への垂直チョップによる交差攻撃のコンビネーションがスパンデクサーに容赦無く襲い掛かるのである。

だが、敵の攻撃の僅かな隙を狙ってついにスパンデクサーが反撃の強襲に取りかかろうとすると・・・・。

ピタリ!!再び、神楽の放った妖魔封じのお札がスパンデクサーの額へ放たれた。戦闘態勢のままピタリと体の動きと時間とを停止させられるスパンデクサー。まるで立ちながら死んでしまったかのように無気力な状態で硬直してしまっている。正義のヒロインにとって最大の武器とも言える奇蹟の力も妖魔ハンターの功名な罠の前に完全に無力化されてしまったのか?そして、金剛が今度は鎖チェーンで抵抗出来ないスパンデクサーの首をこれ以上無いくらいにきつく、きつく、きつく締め上げいくではないか。長時間に及ぶ首絞めの作業が収束するや神楽の手によりお札が剥がされ同時にスパンデクサーは体の自由と時間を取り戻すがここからが地獄の始まりである。

スパンデクサー「ゲフ、ゲホ、オホ!ヒック、ヒック、ヒック、ヒック・・・。」

呻き、悲鳴、咳き込みと窒息の苦しみが一気に彼女に襲い掛かるのである。両手で首・喉元を抑えなが床を転げ回るスパンデクサー。その度に床の黒い汚れが彼女の戦闘スーツや体を汚していく。時に片手を首元へ、そしてもう片方の手を天高く向けて助けを仰ぐようなポーズ!!突き上げてくる窒息の苦しみは永遠に彼女に取り付いて離れてはくれない。途端にお腹の奥深くから突き上げてくる熱い物を感じ反射的に両手を口にあてがうスパンデクサー。

スパンデクサー「ググググググググググーーーー!」

両手の指の間から勢いよく漏れ出る大量の血流が彼女の口元から首、上半身、お腹、腰をつたって行き更には両脚太ももまでをも真っ赤に染めていくではないか!!
窒息の苦しみが過度に人間の体に加えられる時、生体はバランスを崩して大量の流血を伴うことになるのである。

スパンデクサー「このままでは負けてしまうわ。もはや、あの技以外に方法は無い。でも、危険すぎる。いいえ、弱音はダメ!このままなぶり殺しにされるくらいなら」

固い決意を秘めてスパンデクサーは両手の中に小さな光の球体を作り出す。そして、その光の球体が次第に円心を大きくしてスパンデクサーの体を包み込みやがて部屋中に広がってあらゆる物を吹き飛ばしたのである。吹き飛ぶ二人の妖魔ハンター。これこそ、彼女自身の寿命を縮めることと引き換えに確実に敵を屠り去る禁断の必殺技なのである。

【戦闘シーンその3:VS最強の敵】
文字通り満身創痍のスパンデクサー。だが、崇高で気高い使命感がスパンデクサーに微塵の疲れも感じさせない。そのまま勢いよく華原静香の処刑場への乱入し磔台から静香を解放する。腕の中で眠るように目を閉じる華原静香に向かって
スパンデクサー:「もう大丈夫よ華原静香さん。あなたは処刑されずにすんだのよ」

華原静香:「・・・・・・・・・・・。」

スパンデクサー「何?どうしたの?静香さん、あなたうなされているの?」

華原静香:「違う、私はスパンデクサーの笑顔なんかちっとも好きじゃない。私が本当に好きなのは・・」。

ブン!華原静香の超能力で天高く弾き飛ばされるスパンデクサー。そのまま地面の床に叩きつけられてゴロゴロゴロと転がり壁に激突!

華原静香:「スパンデクサー、私はお前の苦しみにのたうち回る姿が一番好きなのだ。お前の悲鳴、うめき声。お前の絶望的な表情。私が見たいのは決してお前の笑顔なんかじゃない」。

全身に中世ヨーロッパを彷彿させる黒魔術の司祭の衣装をまとっている。青白く冷徹で無表情。悪意・憎悪・恐怖あらゆる負のエネルギーを身にまとった悪鬼の如き静香がそこに在るではないか!!恐るべし華原静香の正体、これこそ1000年の封印を解かれて復活した首領妖魔ハンター・紅蓮(ぐれん)そのものなのである。

紅蓮は手に小さな人間の形をした人形を三つ取り出し、それをスパンデクサーのいる方向目掛けて投げつける。3体の小さな人形は大きく成長して人間の等身大へ!!泥を自在に操るユダヤ教の怪物ゴーレムの登場である!!しかも、1体でも十分な威力を誇る泥の怪物が同時に3体も現れるとは。

3対1のハンディキャップ戦。もはや絶望的な悲壮感がその空間を支配し辺り一面の静寂がかえってどん底の恐怖を連想させている。周囲を「恐怖」そのものと言って過言ではない泥のモンスターに包囲され、戦闘ポーズを取りながらこれに立ち向かおうとするスパンデクサー!!

スパンデクサー「いよいよね。私、ここでこいつらと戦うために生まれてきたのかもしれない・・。きっと、これが私の最後の戦いね」

3方向から繰り出される泥人形達のパンチ、キック、空手チョップなど物理攻撃を必死にかいくぐり回避しながら反撃の機会をうかがうスパンデクサー。周囲一面の床がいつの間にか泥の海のような様相を呈している。スパンデクサーの赤いブーツは今やまみれ。泥人形達の攻撃をかわす度に怪物達の体から分泌される泥のしぶきのためスパンデクサーは顔と言わず髪の毛と言わず全身泥まみれで汚れ切ってしまっている。

泥人形達に何度か必殺の一撃をヒットさせるスパンデクサー!その度に手応えを感じるのであるが泥人形達の動きはいっこうに衰える気配が無い。

スパンデクサー「何故なの?私の攻撃は奴らに確実にヒットしているのに全く効いていない。吸収されている。私の攻撃のエネルギーが全部吸収されているの・・?!」

紅蓮「スパンデクサーよ。キリスト聖書や古事記にある通りこの地上世界の万物は原始、混沌とした泥の海から生まれ出た泥の生産物に他ならないのだ。見よ!人間達の泥のように醜い有様を!我は12年間もの間、この娘・華原静香が人間達から迫害される体験を通してしかと(人)という物が持つ泥の如き魔性を目の当たりにしてきたぞ!!」

更に紅蓮は続けて言うのである。

紅蓮「泥人形達は言っているぞ。スパンデクサー、お前のように決して汚れない清く澄み切った存在は万物の造物主たる(泥)に対する反逆だと。お前は紛れもない失敗作だと!この出来損ないを抹殺するのだ!とな。」

地上世界の全ての存在を生み出した母なる(泥)のエネルギー。物理学的に計測不能な程に莫大な威力を有していることは間違いない。大宇宙の恒星が放つ重力にも匹敵する泥の力を前にしてはスパンデクサーといえどもはなから勝ち目は無かったのではなかろうか?光速で宇宙を飛翔する光と言えどももブラックホールの真っ黒な重力を飛び越えることは不可能である。今まさに一人の光の戦士が巨大な黒い重力に飲み込まれようとしているのである。

ああ、これ程の無力感が果たしてあるであろうか?

攻撃をヒットさせる度に自分のエネルギーを吸い取られていくスパンデクサー。まだ敵からの攻撃は一度も受けてはいない。しかし、次第に疲労が体に蓄積していき体が重くて仕方がないのである。

スパンデクサー「か、体が鉛みたいに重い・・。どうしてなの?何故なの?わ、私は負けるわけにはいかないのに・・・。」

ガッ!スパンデクサーの渾身の一撃が泥人形を直撃する。もちろん泥人形にダメージは全く無い。体中から全てのエネルギーを吸い取られる感覚を覚えたスパンデクサーはその態勢のまま遂に力尽き泥の海へと崩れ落ちていく。

スパンデクサー「ハア、ハア、ハア、ハア、ハア・・・。ウグッ、ケホッ!」

口から漏れ出る汚液を泥まみれの手で拭いながら尚も敵をねめつけるスパンデクサー。ここからが泥人形達の恐怖の反撃の始まりである。まず、強烈なパンチがスパンデクサーの顔面に入れられる!地面に勢いよく叩きつけられるスパンデクサー。更に髪の毛を鷲掴みにされ強制的に立ち上がらされたあげくもう一度顔面にパンチの一撃!!

スパンデクサー「ブハッ!!」

口から汚液をしたたかに吐きながら泥の海へ沈んでいく!倒れ伏しているスパンデクサーの上半身を一体の泥人形が無理やり起こし上げ、彼女の突っ張った両胸の膨らみ目掛けて他の2体の泥人形が交互に蹴りの応酬である。

スパンデクサー「ブヘッ!」「ウガッ!」「ブフフーーー!」

声にならない悲鳴を上げながら拷問の苦しみに耐え続けるスパンデクサー。更に今度は体を反転して泥の海の中に顔面を押し当てられる。泥人形達のたくらみ明白だ。彼女の胃の中を泥一杯で埋め尽くそうというのである。

スパンデクサー「ゲフ、ゲフ、ゲフ、ゲフ、ゲフ、ゲフ・・・・・。」

黒い黒い泥を飲み込まされていくスパンデクサーの悪魔のような咆哮。それが地響きのように低いテンポを刻みんで辺り一面の空間を絶望感で一杯に満たしていくである。どんなに抵抗しても抵抗しても無駄である。抵抗する度に自分のエネルギーを吸い取られ、結局は無抵抗のまま、泥人形達のなすがまま徹底的に泥のスープを吸引させられていくのである。泥人形達の情け容赦ない暴力に完全に屈してしまうスパンデクサー。床一面に広がっていた泥の海の水量が目減りしてしまっているではないか!?おそらくほとんどの泥の水がスパンデクサーの胃の中に収まってしまったからなのであろう・・・。

泥の海の中に倒れ込んでいるスパンデクサー。顔は泥の海の中に前のめりに深く沈み込んでいる。お尻をてっぺんに突き上げるようなポーズでピクッ、ピクッ、ピクッと痙攣させている。周囲を包囲する泥人形達の中心にいて完全に敗北ポーズのスパンデクサー。正義のヒロインのなんと無様な有様か!

スパンデクサーはもはや自力で立ち上がることすら叶わない。泥人形達の一体に髪の毛を鷲掴みにされ強制的に立ち上がらされたものの足元は不安定で覚束ない。目は視点が定まらず遠くを見つめるような恍惚感にひったってしまっている!そして、泥で膨張した彼女のお腹に向けて泥人形の強烈な一撃!

スパンデクサー「ゲフッ!」

思わず両手を口元にあてがうが、しかし、お腹一杯に詰まった泥の噴出を止めることが出来るはずも無い。スパンデクサーの両手の指の間から徐々に漏れ出てくる黒い泥の濁流は次第に巨大な大河となり勢いを増して一気にビッグバンである!!

スパンデクサー「ゲホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホッ!」

泥の海の中に一気に大量の泥を吐き出すスパンデクサー。呼吸をする度に体全身に痛みが走る。

スパンデクサー「わ、私の命が、命が削り取られていく・・。あと、あともう僅かしか残っていないわ・・・。ケホッ!ウフッ!でも負けてはダメ。諦めてはいけないわ!」

決しの覚悟で勢いよく立ち上がるスパンデクサー!!その瞬間、凄まじいスピードで3体の泥人形達の周囲を回転し何かを泥人形達の額に張り付けていくぞ!そう、妖魔ハンター・神楽が用いていたあの妖魔封じのお札である!

ピタリ!!あれほど暴虐を振るっていた泥人形達が時間と動作を完全に停止させられ身動きを取ることが出来ない状態になる。

スパンデクサー「これでしばらくは持ちこたえられそうね。ここまで上手くいくとは思わなかったわ。さっき、奴から奪っておいて正解ね」。

キッ!壇上の敵首領・紅蓮をスパンデクサーは睨みつける。足取りは先程からのダメージのため遅々たるものであるが一歩一歩、確実に紅蓮のいる方向に歩みよるスパンデクサー。

スパンデクサー「あんた、何が首領妖魔ハンターよ。ふざけないで!あんたは静香さんが生まれる前から静香さんの深層心理に潜み隠れていた単なる臆病な妖魔。取るに足りない妖怪なのよ。さっきの2人の妖魔ハンターも同じただの妖怪の手先だわ。あの2人は静香さんの中に潜むあんたの存在に怖気づいてハンターであることを止めてしまった・・・。妖怪の使い魔に成り下がってしまったのよ。」

依然冷徹な表情を崩さない敵・紅蓮の眼前に立ち住むスパンデクサー。そして紅蓮が宿る華原静香の体を優しく優しく抱き包むのである。

スパンデクサー「静香さん。もう怖がることなんかないわ。私があなたを助けてあげる」。

天使のよう慈愛に満ちたスパンデクサーの表情。そして、瞬間、紅蓮の呪縛から解放されたように元のあどけない表情に戻っている静香の唇にスパンデクサーは自分の唇をゆっくり押当てる。接着し合っているスパンデクサーの唇と静香の唇の結節点を中心に小さな聖なる光のろうそくがポッとともった瞬間、静香は再び悪鬼・紅蓮の鬼の表情へと変貌する!!

紅蓮「お、おのれ~!ヒ、ヒロインめが~~。グああああああああああああああああーーーー!!!」

断末魔の叫びと共に消滅していく紅蓮!!崩れ落ちる華原静香の体・・。そして、紅蓮がこの世から完全に放逐される際に放ったエネルギーの影響のため元の泥の海の所まで吹き飛ばされるスパンデクサー!!

スパンデクサー自分の最後の命の欠けらが消えゆくのを感じながら最後の力を振り絞って身を起こす。両膝を「ハ」の字に広げて泥の海の中に付いている。両手はダラリと腰の所に下ろしているが、顔だけは凛として上向きに両目は静かに輝いている。

スパンデクサー「わ、私・・・。スパンデクサー・・。コスモエンジェ・・。」

遂にこと切れ絶命するスパンデクサー・・・・。

だが、そこへお札の影響力を脱し復活した3体の泥人形がやって来てゆっくりゆっくりと絶命しているスパンデクサーの周りを包囲しだしたのである。先程描いた通り、絶命したスパンデクサーは両膝を「ハ」の字に開いて泥の海にたたずみ、両腕をダラリ腰の辺りに垂らしている。ただ、命の炎が消えてしまった反動のため顔はやや下を向いた状態である。そのスパンデクサーの周りを3体の泥人形達が包囲しているのである。まるでスパンデクサーが泥人形達に完全降伏し許しを乞うているような奇妙な光景である。

1体の泥人形が既にこと切れているスパンデクサーの顔面にパンチの一撃を喰らわせる。スパンデクサーの表情は絶命した時のままの安らぎに満ちた何かを達成したかのような満足の表情である。静香に微笑みかけていた時のような優しい微笑も浮かべている。だが、この無垢な天使の表情を浮かべる聖女・スパンデクサーも泥人形達にとっては単なる狩りの獲物に過ぎないのである。

顔面に泥人形の機械的な一撃をまともに喰らい、グシャリ!と崩れていくスパンデクサーの表情。

ドサッ!泥の海の中に叩きつけられるスパンデクサーの亡骸。泥人形達は倒れ伏したスパンデクサーの死体のお腹に何度も蹴りを入れ楽しそうに歓喜に震える声を上げている。

天井から吊るされているロープを首に巻き付けられ半ば宙ブラリンの状態で立たされているスパンデクサーの死体。吊るされているスパンデクサーの死体のお尻から上の上半身が背面からアップで映像に映し出されたかと思った瞬間、下半身の赤いボトムズを一気に脱がされるスパンデクサー!下半身完全露出の状態である。

激しい戦闘の中でもよくスパンデクサーの腰回りや下半身を防御してきたかの赤いボトムズも今や泥と汚液にまみれている始末である。そのボトムズをあろうことか泥人形にはぎ取られてしまったのである!映像にアップで映し出されるたくましく隆起した真っ白なスパンデクサー迫力たっぷりのお尻!戦い抜き、聖なる勝利を得たはずのスパンデクサーが尻を民衆の前にさらされるという最大の屈辱を受けるハメになろうとは・・・。そして、泥人形達はスパンデクサーの死体の腹部目掛けて何度もパンチの一撃を入れていくのである。

ボキッ!何かが折れる嫌な金属音が響き渡ったかと思うや反射的に彼女の性器辺りから静かに透明の液体が流れ落ちていく・・・。。恥骨を粉砕された衝撃にスパンデクサーの膀胱がとうとう持ちこたえられず発生した失禁現象である。

泥人形達は吊るされているスパンデクサーの死体にめいめいガブリ、ガブリ、ガブリと噛みつき己の食欲を満たしていくのである。しなやかな首筋、綺麗にくびれた腰回り、失禁の影響で湿った太もも、次々に怪物達の食欲の餌食となっていく。噛みつかれる度に血しぶきを上げる下半身むき出しのスパンデクサー!!スパンデクサーの体は泥と血と尿にまみれ本来持っていた肌の白さは全体の中で少数派になってしまっている。

しかし、怪物達に食い散らかされていく彼女の体を見て「醜い」とか「汚い」と感じる者はおそらく皆無であろう。己の命と引き換えに崇高な目的を達成したスパンデクサーの体はどんなに蹂躙されようと本当の意味で汚れることは無いでのである。この後、泥人形達の猟奇的な蛮行が永遠に続行されたとしてもスパンデクサーの魂が泥の世界に引き込まれることは決して無いのである!!

だが、泥の怪物達の凶行もここまでである。怪物達の体を光が包んだかと思うや刹那、元の小さな人形へと復元してしまったのである。ここでようやく紅蓮の妖力が底を尽き完全消滅したのである。そして、泥と血にまみれ、下半身を完全に露出されたことから恥辱にもまみれたあわれなスパンデクサー・・・。泥の中に顔をうずめ、絶命しているスパンデクサーの死体の傍に立ちすくむ華原静香。

静香はスパンデクサーの死体を優しく抱きかかえながら涙、涙、涙である。清く美しい涙が滝のようにスパンデクサーの汚された体を少しずつ少しずつ洗い清めていくのである・・・。(終)


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