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ごー
タイムアスモデウス
ごー
まりもっこす
Katherine
路地裏ヒロイン譚
■タイトル 

怪盗Night Echo ― 堕ちた長女・敗北陥落 [No.11444]

■プロット
起(導入) Night Echoの終焉

世間では、怪盗Night Echoは「すでに壊滅した」と噂されていた。

かつて、長女・仁美、次女・双葉、三女・蜜花の三人は、

権力者の裏金
企業の不正
闇取引の記録

を次々と暴いてきた、有名な義賊だった。

だが、ある日を境に、三姉妹は突然、姿を消した。

最後の仕事で、三人はシャンスという巨大組織の中枢に潜入し、
意図的に分断された。

待ち伏せだった。

そのまま、双葉、蜜花の二人は戻らなかった。

生きて戻ったのは、長女・仁美、ただ一人。

暗いアジト。
古い端末の前に、仁美は一人で座っている。

画面に表示される、匿名で送られてきた一つの動画ファイル。

再生。

椅子に縛り付けられた、すでに動かない双葉と蜜花。

顔には、説明のいらない静けさがある。

音声はない。
説明もない。

ただ、終わった結果だけが映っている。

仁美は、しばらく無言で見つめ、やがて静かに画面を閉じた。

「……結局、
 守れなかったのは、
 いつも一番、大事なものね」

仁美の脳裏に、あの日が蘇る。

仁美、双葉、蜜花。
施設のベッドで、幼い三姉妹が手を繋いで眠っている。

両親が急に亡くなったことを告げられた。
だが事故として処理され、理由も分からないまま、
三人は引き離されそうになった。
必死に泣きながら抵抗した。

現在。

机の上に並べられる、古いメモ帳、数枚の写真。

両親の勤めていた研究所。
不審死の記録。
ある男の名前。

佐伯

仁美は低くつぶやく。

「……あいつが、
 すべての始まりだったのね」

起・終わり。

承(過去と因縁、決意まで)

妹たちが命を奪われてから、数か月。

仁美は、ひたすら一人で調査を続けていた。

盗聴。
映像の記録。
偽名での接触。
裏のブローカーへの聞き込み。

最初に追っていたのは、妹たちを直接捕え、殺した実行部隊だった。

だが……。

一人は、すでに殺され。
一人は、姿を消し。
一人は、口を割る前に消された。

調べれば調べるほど、指示は別の部署へ。
さらにその上へと辿っていく。

やがて、仁美は気づいた。

この事件には、「個人の意思」が存在しない。

いるのは、役割を割り当てられただけの歯車と、
そのすべてを動かしている、見えない設計者だけだった。

そして、妹たちが命を賭けて集めてきた証拠は、
すでにほとんどが消されていた。

わずかに残ったものも、世に出せば、
すぐに消されるのは目に見えている。

シャンスという組織は、

大きすぎる。
深すぎる。
どこからも、手が出ない。

仁美は、端末の前でつぶやいた。

「……公表しても、
 何も変わらない」

「妹たちは、
 証拠のために死んだんじゃない……」

その一方で、仁美は、妹たちの事件とは別に、
もう一つの調査を始めていた。

両親の死。
研究所の記録。
当時の関係者。

過去の資料を洗い直したとき、一つの名前が、何度も浮かび上がる。

佐伯。

妹たちの事件よりも、さらに前から、
自分たちの人生に関わっていた男。

当時は、組織の処刑専門のアサシン。

銃ではなく、必ずナイフで始末する男。

その後、シャンスの中枢に昇進し、今は、組織のトップにいる。

仁美は、静かに確信する。

妹たちは、偶然、殺されたのではない。

自分たち三姉妹の人生そのものが、最初から、
どこかで仕組まれていたのだと。

そして、はっきりと理解する。

両親の命を奪ったのも。
妹の処刑を実行したのも。

同じ男。

「私が向かう相手は、最初から、あいつ一人だった」

決定的な認識。

「証拠を公表しても、あいつは死なない」

「でも……
 あいつが生きている限り、私の戦いは、終わらない」

その夜。

アジトの奥のロッカーを開け、仁美は一着の衣装を取り出した。

紫のラバースーツと目元を覆うマスク。

かつて、怪盗Night Echoの長女として、何度も袖を通した戦闘服。

しばらく迷った後、仁美は、それにもう一度腕を通した。

鏡に映る自分を、無言で見つめる。

机の上には、使い古された一組のフィンガーレスグローブ。

双葉の形見。

仁美はそれを手に取り、指で縁をなぞった。

「……結局、最後に戻るのは、この服なのね」

彼女は、一行だけのメッセージを用意する。

送信先:佐伯の極秘回線。

「最初に殺した研究者の娘が、まだ生きている」

送信。

「……これは、組織への挑戦じゃない」

「あいつ一人を、呼び出すための、合図よ」

承・終わり。

転(対面まで)

数日後。

指定された場所。

海沿いの、使われなくなった古い研究施設。

夜。
風の音だけが響く。

仁美は、一人で中に入った。

誰もいない。
護衛の気配も、罠の気配もない。

やがて、暗闇の奥から、足音。

佐伯が、本当に一人で現れる。

部下はいない。
組織のトップとしてではない。

ただの、一人のアサシンとして。

仁美は、その事実だけで理解した。


「……やっぱり、お前は、誰にも任せない」

佐伯は静かに言った。

「処理に失敗した案件は、自分で片をつける主義でね」

「君の家族は、最初から最後まで、私の仕事だ」

その言葉で、すべてが確定する。

この事件は、組織の失敗ではない。

偶然でもない。

無数の歯車の、どこかの事故でもない。

最初に引き金を引いたのも、最後に刃を振るったのも、

すべて、この男一人だった。

ここにはもう、復讐する女と、始末しに来た男しかいない。

佐伯の手が、ゆっくりとコートの内側に伸びる。

現れるのは、血のように黒い一本のナイフ。

佐伯は淡々と告げた。

「君の両親も、妹たちも、これで終わらせた」

「残ったのは君だけだ」

仁美は、その言葉を聞いて、初めて動いた。

静かに、腰のベルトのポーチから
フィンガーレスグローブを取り出し、拳にはめる。

「鬼の起源を、知ってる?」

「元々は、女が始まりなんですって」

「嫉妬と、怨念で、醜く変わった女の姿が、鬼……」

グローブを、ぎゅっと締めた。

「これはね、妹の双葉が使ってた形見なの」

「打撃が好きな子だったから」

仁美は、佐伯を真っ直ぐに睨みつけ、吐き捨てるように言った。

「……お前を、ここで終わらせるわ」

転・終わり。

結(1対1の決着)

夜の研究施設。
二人の間合いが、一気に詰まる。

互いに、ほんの一瞬だけ動かない。

佐伯の視線は、感情のないまま、仁美の喉元から、
胸、脚へと淡々と滑っていく。

その冷たさに、胸が軋む。
仁美は目を閉じた。

椅子に縛られ、同じように見下ろされていた、
双葉と蜜花の姿が、脳裏に蘇る。

(……あの時も……こんな目で、見ていたの……)

仁美は、自分の鼓動が、はっきりと耳に響くのを感じていた。

目を開いた仁美は静かに息を吐き、決意を固めて先に踏み込んだ。

(まずは崩す)

鋭いワンツー。
頬をかすめる拳。

佐伯の肩が、わずかに揺れる。

だが次の瞬間、黒いナイフが、低い軌道で走った。

紫のラバースーツの太ももに、細い赤い線が走る。

一瞬、何が起きたのかわからない。

(……なに……?)

遅れて、焼けるような痛みが脚を貫いた。

(っ……熱い……!でも……止まったら……終わる……!)

仁美は距離を取った。

脚に力を込めた瞬間、痛みが走る。

それでも、歯を食いしばり、再び踏み込んだ。

ボディ。
フック。
ストレート。

顎をかすめる一撃。

佐伯の口元に、血が滲む。

互角……そう思えた。

仁美の打撃は、確かに当たっている。
佐伯のナイフも、確実に彼女の体を裂いている。

(このままじゃ……先に……脚が……)

致命傷は、どちらにもない。

だが、動くたびに傷ついた太ももから血が滲む。

呼吸は荒くなり、体は少しずつ言うことをきかなくなる。

それでも、仁美は下がらない。

左腕を上げ、顔面への連打。

佐伯が、わずかに後退する。

その瞬間、ナイフが二度、閃いた。

肩。
二の腕。

(っ……!)

腕から、力が抜ける。

距離を取ろうとして、脚がわずかにもつれる。

転びはしない。
だが、完全に追い詰められていた。

(……だめ……もう……身体が……)

視界の端が、暗くなる。

(……もう……駄目なの……?)

一瞬、双葉と蜜花の顔が脳裏に浮かぶ。

(……ここで……終わるの……?)

だが、次の瞬間、仁美ははっきりと悟った。

(……このまま削られたら……何も……できずに……終わる……)

逃げ場は、ない。

なら――

(……次の一撃に……すべてを賭ける)

(……これで……終わらせる……)

佐伯が、踏み込んでくる。

迷いのない、トドメの一撃。

その瞬間、仁美は残った力をすべて込めて踏み込んだ。

渾身のストレート。

拳が、佐伯の手首を正確に捉える。

乾いた音。

ナイフが、床に転がった。

一瞬の静寂。

(今……!)

希望が、はっきりと胸に灯る。

仁美は、最後の力で前に出る。

勝てると思った瞬間、仁美は勝ちを急いだ。
踏み込みが前のめりになる。
その隙を、佐伯は見逃さなかった。

次の瞬間――

佐伯が半歩沈み、仁美の視界の外へ滑り込んだ。

(え……?)

背後。

腕が、
喉に回る。

(しまっ……!)

「……落とす」
佐伯は短く言い、首を締め上げた。

一気に、締め上げられる。

仁美は必死にもがいた。

肘打ち。
足を踏みつける。

だが、力が少しずつ抜けていく。

視界が暗くなる。

(いや……まだ……)

そして膝が、崩れた。

目を覚ますと仁美は、両腕を頭上に固定されたまま立たされていた。

「……殺せ……!」

「早く……殺せ……!」

佐伯は、耳元で低く言った。

「その前に」

「妹二人と、同じ目にあってもらう」

一瞬、仁美の体が凍りつく。

佐伯が仁美の背後に立ち、耳元にそっと指を滑らせる。

仁美は肩を大きく跳ねさせ、

「ふざけた真似を!」

と声を張り上げた。

佐伯は構うことなく指を下げていき、仁美の乳房にそれを這わせた。

「……っ!」

仁美の息遣いが乱れる。

必死に強がっていた仁美だが、肩の上下は隠しようもなく、
呼吸が浅くなっていく。
拒絶の言葉を紡ぐ唇も、今は小刻みに震えていた。

「おや、ここが敏感なのか?」

佐伯の冷酷な言葉とともに、容赦のない指先が
ラバースーツの生地を押し込む。
浮き上がった突起を弄られ、仁美は唇を噛んで悔しさに耐えるが、
喉の奥からは熱い吐息がこぼれ落ちた。

「……ん、ぁ……っ。……はぁ、はぁ……っ」

(駄目……声が……漏れちゃう……駄目……)

佐伯の指先は胸元を離れ、身体にぴっちりと張り付くラバースーツの
表面を滑り落ちていった。

「……あ、っ……」

薄い生地の上から腹部をなぞられ、さらに指先が、
切り裂かれた太ももの内側へと滑り込んでくる。

(や……そこ……だめ……)

直接肌に触れた熱に、仁美は思わず腰を引こうと身をよじった。

だが、両手を頭上で繋がれているせいで、
逃げようとすればするほど、
かえって佐伯の胸に身体を押しつける形になってしまう。

「どうした?そんなに震えて、立っているのが精一杯か?」

耳元で囁かれ、仁美は初めて自分の膝が小刻みに
震えていることに気づいた。

吊り上げられた手首に全体重がのしかかり、
痺れが限界に達している。

悔しさに唇を噛みしめながらも、拒絶の意志に反して、
熱が声になってこぼれ落ちる。

「はぁ、はぁ……っ フゥー……フゥー……」

(……このままでは……だめ…………いや……)

仁美は震える唇を噛みしめ、逃げ場のない重圧を
受け止めるように顔を上げた。

だが、佐伯の手が彼女の最も無防備な場所へと近づくたびに、
ラバースーツの生地は限界まで引き伸ばされ、
秘部の輪郭をあまりにも無残に浮き彫りにしていく。

「そんなに睨むな。心臓の音がここまで聞こえてくるぞ」

耳元で囁かれる声を振り払うように、仁美は思わず首を横に振った。

だが、両手を高く上げられた姿勢のままでは、
大きく動くこともできない。

わずかな身震いさえ、抑えきれずに佐伯に伝えてしまう。

やがて、そっと忍び寄る指先が、布の上から
彼女の一番触れられたくない場所に触れた。

「っ!……あ……っ」

(お願い……そこには……触れないで……)

仁美は雷に打たれたように背筋を反らせ、必死に腹筋に力を込めた。

侵入を許すまいと頑なに強張る体と、それをこじ開けようと迫る
熱に、彼女の決意は少しずつ揺らいでいく。

(……だめ……これ以上……戻れなくなる……)

彼女の抵抗は、皮肉にも佐伯の手のひらへ、
かすかな体温の変化や、脈打つ鼓動までも伝えてしまっていた。

自分が崩されていくのを堪え、瞳を潤ませながらも睨みつける
彼女の視線は、恐怖だけではなく、
自分の身体の裏切りを必死に押しとどめようとする、
痛切な願いが滲んでいる。

仁美の秘部はじっとりと濡れ、ラバースーツから
愛液が滴らんばかりに重く沈んでいた。

佐伯の口角が吊り上がり笑みが漏れる。

佐伯の手に、あの家族の命を奪った黒いナイフが握られた。
逃げ場のない股間のラバーに冷たい刃先が添えられ、
わずかに力がこもる。

「あ……っ!」

限界まで張り詰めていた紫のラバーが、
鋭い断裂音と共に弾け飛んだ。

切り裂かれた断面から、じっとりと汗ばんだ素肌が露わになり、
無防備な秘部が、無慈悲な夜気の中へと晒された。

「いやっ!」

仁美は、悲鳴に近い掠れた声を上げた。

(……覚悟は……している……でも……でも……)

佐伯は構わず仁美の熱を持った突起を指でなぞった。

「いや……っ、あ……」

容赦なく加速する指の動きに、仁美の喉から
艶めかしい声が漏れ始める。

「はあッ……ああッ……ううんッ」

「……アァッ……やっ……もう……あ……はぁっ……!」

「あッ……あッ……イッ……うぅ!」

限界まで反り上がった仁美の身体が、一際大きく跳ねた。
あまりの快楽に、彼女は恍惚とした表情を浮かべ、
視線を彷徨わせた。

(そんな……ちがう……こんなの……)

「なんだ、早いな」

佐伯は冷笑しながら男根をさらけだした。

(嫌……っ! 絶対に、嫌……!)

仁美は心の中で必死に懇願した。
無力な抵抗は虚しく、その願いは届かなかった。

佐伯は仁美の蜜壺に侵入していった。

「ああっ……」

その瞬間、「絶対に屈しない」その固い誓いが、
佐伯の侵入により崩れていく

(失うものなんて……何もないと……思っていたのに……)

佐伯の動きが激しくなる。

「ああっ! いやっ! いいっ!……」

仁美は理性と快楽の狭間で揺れるような声を漏らす。

「あ……っ、ぁああ……っ! ……も、う……だめ……っ」

「……ぁ、あッ、……イくッ、……ッ!!」

仁美の身体は激しくのけ反り、二度目の絶頂に達した。

(いや……違う……こんなの……私じゃない……)

佐伯は、恍惚として視線を彷徨わせている仁美の髪を掴み、
強引に顔を上向かせた。

「……あ……はぁ、はぁ……っ」

「そろそろ、その顔を見せてもらおうか」

その言葉に、仁美の身体が強張る。

「……っ、やめて……! それだけは……っ!」

顔を背けるが、佐伯の指先がマスクの端、
こめかみの辺りに冷たく触れた。

「あ……っ、や……だ……!」

逃れようと身悶える仁美の抵抗を無視し、
佐伯は力任せにそれを毟り取った。

「あ……あぁ……っ……!」

露わになったのは、恐怖と羞恥に濡れ、
涙で瞳を潤ませた一人の女の素顔だった。

顔を隠す術を失い、もはや逃げる場所などどこにもない。

「怪盗」ですらなくなった無防備な自分を突きつけられ、
仁美の心は音を立てて崩れていった。

さらに佐伯の欲望は収まることなく、後ろから仁美の腰を掴み、
再挿入した。

「お願い……もう……やめて……」

仁美は弱々しい声で懇願するが、
その声は佐伯の耳には届かなかった。

激しい動きがもたらす熱に、仁美は震え、憎いはずの感覚に
全身が支配されていく。

(……奥に……そんな……奥まで……)

「……あ……あぁ……っ……や……っ……!」

佐伯の腰はさらに速くなる。

「ほら、出してやる。もちろん覚悟してたよな?」

「……や……やだ……ぁ……っ……あ……」

「なに?なんだって?聞こえないなぁ?」

「いや! やめて! お願い! やめて!」

「それが人に頼む態度か?ああっ!」

「お願いします……やめてください……」

「…………い・や・だ・ね」

佐伯は嗤いながら、抵抗する力を失った彼女の中に、
そのまま出してしまう。

「いやぁ!---------」

彼女の悲鳴だけが行き場を失い、虚しく消えていった。

どれほどの時が過ぎただろうか。

仁美は快楽の嵐に翻弄され尽くし、
魂まで吸い取られたかのようにうなだれていた。
振り絞るような、力ない声でつぶやく。

「もう、終わりにして……」

すると佐伯は仁美の手首の固定具を外し、言った。

「死にたいなら、自分でやればいい」

「……できないのか?」

佐伯は冷たく語りかけた。

仁美は、必死に首を振った。

佐伯はナイフを床に落とした。

仁美はそれを見つめる。
だが手は、動かない。

体が。
心が。
拒絶する。

目に、大きな涙が溜まり、頬を伝って落ちる。

その様子を見て、佐伯は嗤った。

「……ほらな」

「お前は、鬼でも、なんでもない」

「ただ、自分が一番可愛いだけの女だ」

「お前が殺したんだよ」

「来ようとはしてたんだろ?」

「……来なかったけどな」

その言葉が、刃のように、仁美の心に突き刺さる。

仁美は声を出すこともできず、ただ涙を流した。

佐伯は、ゆっくりと立ち上がり、仁美を床に転がしたまま言った。

「生き地獄の中で、悔やむといい」

「何者にもなれなかった事を」

扉が、閉まる。

闇の中に、一人残される仁美。

ナイフの裂け目から無残に破れ広がった紫のラバースーツ。

激しい動きで引き伸ばされたラバーの端が、
熱を帯びた白い肌を締め付け、食い込んでいる。

艶やかなラバーの表面には、乾き始めた熱の跡が、
惨めなほど白く浮き上がっていた。

双葉の形見のグローブに、涙が落ちる。

そして、声を殺して泣く。
何者でもない女が。

物語・終わり。

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