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ごー
タイムアスモデウス
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Katherine
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とりこさん
■タイトル 

ヒロイン討伐 美少女戦士セーラーシャロン Episodeゼロ ~闇に咲いた青い薔薇~ [No.10961]

■プロット
<登場人物・妖魔>
水咲あゆみ/セーラーシャロン 
IQ300の知能を持つ女子校生。控えめな性格だが、正義感は強い。また、寝坊して遅刻することもあるなど、うっかりものでもある。
妖魔ザルドンに襲われている一般人を助けに入り、命を落とすが、海の神ポセイドンによってセーラー戦士に変身する力を与えられて復活し、美少女戦士セーラーシャロンとなる。

美少女戦士セーラーシャロン
水咲あゆみがポセイドンに力を与えられて変身したセーラー戦士。
水と青の属性を持つ。攻撃力はあまり強くないがスピードと知力で戦う。

妖魔ザルドン
魔王ザグルスの配下。
凄まじい〇〇性を持ち、魔界から人間界に送り込まれ、下魔を率いて手当たり次第に人間を襲う。
怪力が自慢。

妖魔ラフレシア
魔王ザグルスの配下。
赤い薔薇の形をした頭を持つ。ツタ系触手を使って人間を絡めとり、エナジーを吸収し、それを養分にして「死の薔薇」を咲かせることを生き甲斐としている。(エナジーを吸収されつくした人間は絶命する)
相手のエナジーによって咲く薔薇の色が変わる(普通の人間は血の色の真紅の薔薇が咲く)ため、「幻の青い薔薇」を咲かせることを目指し、青いエナジーを持つセーラー戦士を狙う。

<プロット>
1.花壇にて
 ある晴れた日、白いセーラー服に身を包んだ女の子、水咲あゆみは学校への通学路を歩いていた。
 「あ、きれいな薔薇!おじさん、こんにちは」
 花を育てている知り合いのおじさんに声をかけるあゆみ。
 「ああ、あゆみちゃん、こんにちは。どうだい、きれいな薔薇だろう。」
 「本当にきれいですね。あ、でもおじさん、薔薇の花って、赤、白、ピンク、黄色はあるのに青い薔薇はないですよね?」
 「そうなんだよ。青い薔薇というのは昔から人間が作り出そうとして生み出せなかった花なんだ。だから「青い薔薇」という言葉自体に「不可能」とか「存在しない」という意味があるくらいなんだ。いまある青い薔薇は、普通の薔薇に青い染料を吸わせて無理やり青くしただけの偽物なんだよ」
 「へぇー、そうなんですね。私、「水咲」だから、水色、青い薔薇が咲いたら私の花みたいでうれしいなと思ったんですけど!あ、いけない、学校に遅れちゃう!おじさん、またね!」
 「あゆみちゃん、気を付けてね!」
 学校に向かって走っていくあゆみ。
 と…。

2.襲われるおじさん
  「うわああああー!」
 悲鳴が聞こえてあゆみが振り返ると、奇怪な魔物と、その手下たちが、おじさんに襲い掛かっていた。
 「ええ!なんなの、この魔物は!あ、おじさん!」
 仲良しのおじさんがモンスターに襲われているのを見たあゆみは、恐怖も忘れてかけより、通学カバンで魔物をなぐりつけた。
 「なんだ?お前は。」
 「おじさんを放しなさい!乱暴は許さないわ!」
 魔物はおじさんを乱暴に放り出した。おじさんは気絶して倒れている。
 「我々の邪魔をする人間は許さん。お前たち、やってしまえ!」
 下魔たちがあゆみに襲い掛かる。
 「きゃああっ!何をするの!やめて!放して!うぐうっ!」
 下魔に羽交い絞めにされ、腹パンされ、殴られ、蹴られ、痛めつけられるあゆみ。
 そしてついに、一匹の下魔に両手で首を絞められた。
 「うぐうっ!うううっ!ううう…苦しい…息ができないよ…死にたくない…誰か…助けて…あが…気が遠くなってきた…」
 がっくりを首をたれ、絶命するあゆみ。その亡骸をゴミでも捨てるように放り出す下魔。
 「フン、口ほどにもなかったな。おい、お前たち。次の人間を襲いにいくぞ」

3.海の神・ポセイドンに変身する力を授けられる
  あゆみは不思議な空間にいた。自分が生きているのか死んでいるのかもわからない。
  (あれ…ここはどこ…わたし…どうしちゃったの…ううっ)
 その時、どこからか声がした。
 「ここは冥界。私は海と大地をつかさどる神・ポセイドン、勇敢な少女よ、聞こえているか。」
 「私は、どうなっちゃったの?あの魔物はなに?」
 「あの魔物は、大魔王ザグルスの手先で、妖魔ザルドンとその配下の下魔だ。魔王ザグルスは人間界の支配をねらい、妖魔を送り込んで恐怖をまき散らそうとしている。君は、その勇敢にも人を助けるためにその妖魔に立ち向かったのだが、普通の人間にかなう相手ではない。逆に襲われて、やられてしまったのだ。だが、少女よ、君に頼みがある。君にセーラー戦士としての命を預けたい。そして、セーラー戦士に変身して、魔王ザグルスと手先の妖魔と戦ってほしいのだ。」
 「え?私が戦士?できません!そんなこと、わたし…」
 「君は勇気と正義感がある。私が戦うための聖なる力を与えれば、必ず戦える。それとも、君の大事な人たちが妖魔に襲われ、この世界は地獄になってしまうだろう」
 「それは嫌!この世界にさっきみたいな妖魔がたくさん現れて、私の大事な人たちを傷つけるなんて考えられない。…ポセイドンさん。わたし、戦う力が欲しいです!」
 「ありがとう。少女よ。それでは君に戦士としての力と、戦士としての名前を授けよう。」
 あゆみの胸元が光り、セーラー服のリボンの上に輝くブローチが現れた。
 「そのブローチには、私の海の神としての力を分け与えた聖なるエナジーが詰まっている。復活する君の命の源でもある。それを使って変身すれば、君は水の属性を持つセーラー戦士として、魔物と戦うことができる」
 「これで私が戦士に変身…」
 「そして、君の戦士としての名は、セーラーシャロンだ。シャロンとは、豊かで平和な大地を表す。海と大地の神である私の力を受け継ぐセーラー戦士にふさわしい名前だろう。さあ、戦いなさい。水の力を持つセーラー美少女戦士・セーラーシャロン!」
 あゆみの目の前がまばゆい光に包まれた。

4.セーラーシャロン 変身と初陣
 気が付くとあゆみは、ザルドンに襲われた場所に倒れていた。
 「あ…う…、今のは…現実?」
 気が付くと、先ほど自分を襲った魔物たちが次なる獲物を求めて歩き去ろうとしていた。
 「いけない!あの魔物たちをくいとめないと…でも、私にできるの?…あゆみ!頑張るのよ!ポセイドンさんからもらった力で戦わないと!」
 すっくと立ちあがるあゆみ。澄んだ通る声で叫ぶ。
 「待ちなさい!これ以上人間を襲うのは許さないわ!」
 「なに!?お前…死んだんじゃなかったのか。それならとっとと逃げればよいものを。本当に命の価値を知らないやつだな。」
 「魔物に命の価値を説教される筋合いはないわ。あなたたちを絶対に許さない!」
 「威勢はいいが、声も足も震えているじゃないか。許さなければどうするというのだ?」
 妖魔ザルドンがせせら笑う。
 (あゆみ!震えている場合じゃないわ。戦わないと!私は…美少女戦士セーラーシャロンだから!)
 あゆみの気持ち、覚悟が定まり、震えがぴたりと収まった。胸のブローチにすっと手を当てて叫ぶ。
「チェンジ!ウオーターパワー・クロス・アップ!」
 「なにいい!」
妖魔たちが慌てふためくなか、あたりは青白い光に包まれ、その光が収まった時、セーラースーツに身を包んだ凛々しいセーラー戦士が立っていた。
妖魔たちに向かってポーズを決めながら、凛々しい声で叫ぶ。
「水の戦士セーラーシャロン!人間に危害を加える魔物!海の神ポセイドンに代わって私が退治してあげます!」
「なに!?セーラーシャロンだと!?」
驚愕する妖魔ザルドンと下魔たち。が…。
「え、私、変身しちゃった!きゃっ!この格好…身体のラインがぴったり出すぎ!それにスカートが短すぎ!これで戦ったら、見えちゃう!」
顔を赤らめて叫ぶセーラーシャロン。
ポセイドンの声が響く。
「恥ずかしがっている暇はないぞセーラーシャロン、そのセーラースーツは聖なるエナジーで君を護り、戦う力を与えてくれる。変身したキミは普通の人間をはるかに超える身体能力や攻撃を行う力を持っているんだ。そして、戦い方も知っているはずだ。あとは勇気を出すだけだ。戦うんだ、セーラーシャロン!」
「そんな…っ!」
困惑するシャロンに考える暇を与える間もなく、下魔がとびかかってきた。
「っ!はあっ!!」
シャロンの身体が勝手に動き、下魔の一撃をさらりとかわすと、スカートを翻して廻し蹴りを放った。吹っ飛ばされて動かなくなる下魔。
「えっ?身体が勝手に動いた!?それに私、すごい力…」
「なに?ええい、あんな小娘、早く殺せ!」
ザルドンの唸り声に残りの下魔がとびかかってくる。
(あ…なんだか敵の動きが遅く見える…これなら!)
シャロンは再び下魔を交わすと、一匹はパンチで吹っ飛ばし、一匹は投げ飛ばし、最後の一匹はかかと落としでたたき伏せた。
よろめく下魔たち。
シャロンは下魔たちを見据え、ポーズを取った。エナジーがブローチに集中し、言葉が自然に口を突いて出る。
「これでもくらいなさい!アクア・フラッシュ!」
シャロンの掌からニードル状の光線がシャワーのように放たれ、下魔たちに命中した。
「グギャアアアアアーっ!」
雄たけびを上げて消滅していく下魔たち。
「すごい…これがセーラー戦士の…セーラーシャロンの力なのね…。ポセイドンさん、これなら戦えるわ!」
ザルドンに向かってファイティングポーズをとるシャロン。
「おのれ、セーラーシャロン、よくもわしの下魔たちを…。次は私が相手だ。私は下魔とは一味違うぞ」
「ザルドン、あなたは許さない!くらいなさい!アクア・フラッシュ!」
シャロンが再びアクア・フラッシュを放ち、青い光線がザルドンに降り注ぐ。だが…。
「フン!」
ザルドンが光線を弾き飛ばした。
「えっ!?アクア・フラッシュが効かない!?」
必殺技を破られ、動揺するシャロン。
「セーラーシャロンの技とはこの程度か。最下級の下魔は倒せても、私のような戦闘妖魔には効かんぞ。では、セーラーシャロン、今度はこちらからいくぞ!」
シャロンに襲い掛かるザルドン。
ザルドンの攻撃を必死で受け止めるシャロン。しかしついに下腹にパンチの一撃を食らって吹っ飛ばされ、苦しむシャロン。
「がはっ!げほっ!」
身体を折って苦しむシャロン。
ポセイドンの声が響く。
「大丈夫かセーラーシャロン!しかし、今の一撃は普通の人間が食らっていれば即死して身体がバラバラになるレベルの攻撃だ。君はセーラー戦士として、聖なるエナジーとセーラースーツで護られているから、その程度のダメージですんでいるんだ。がんばれ!」
「その程度って…。くらっている方の身にもなってほしいわ。でも、どうすれば…」
必死に体を起こし、立ち上がるシャロン。
再び襲い掛かるザルドンに防戦一方となるシャロン。
しかし、怪力のザルドンに圧倒されるシャロン。殴られ、蹴られ、よろめいたところを抱え上げられ、アルゼンチンバックブリーカーのように身体を痛めつけられる。
「あああっ!ぐうっ!背骨が折れちゃう!」
そして投げ飛ばされ、地面に叩きつけられて倒れたところを背中を何度も踏みつけられる。
「ああっ!うああっ!ああっ!」
あまりの痛みに苦しむシャロン。だが、反撃方法を必死で考えていた。
そしてザルドンが足を上げた瞬間に素早く転がり、立ち上がって距離を取った。
「はあ…はあ…この妖魔、強いわ…。アクア・フラッシュも効かないし…。どうすれば…。」
 その時、ポセイドンの声が響いた。
「セーラーシャロン、落ち着いて相手の弱点を探るんだ。君にはサーチバイザーとミニコンを授けてある。それで妖魔の弱点を探るのだ」
「はい!」
シャロンは右手をティアラに充てて叫んだ。
「サーチバイザー、オン!」
ティアラが青白く光り、深いブルーのバイザーがシャロンの顔面に装着された。手にはミニコンが現れた。
「サーチ!」
サーチバイザーがザルドンの弱点を探っていく。探知を続けながらミニコンで分析を行うシャロン。やがて、『weak point』が画面に表示された。
「わかったわ!ザルドンの弱点は、頭の角ね。実はあそこが本体!あれを破壊すれば!そのためには…よし!」
シャロンがブローチにエナジーを集中させる。
「これでもくらいなさい!シャロン・サンダー!」
シャロンの指から放たれた電撃がザルドンに命中する。
「ぐぬう!これしきの電撃などなんともないわ!」
身体をしびれされながらも吠えるザルドン。
しかし、シャロンは小さく笑った。
「電撃はあなたの動きを封じるため。これで終わりよ!ブルー・ランサー!」
シャロンが一点集中で指から放った細く、青白いエナジー光線がザルドンの角に正確に命中する。
「グアアアアアアアっ!」
まず角が砕け散り、ついでザルドンも爆散した。
「はあ、はあ…、か…勝った?」
思わず膝をつくシャロン。
ポセイドンの声が聞こえた。
「よくやったセーラーシャロン、初めての戦いをよく乗り越えた。これからも魔王ザグルスの妖魔を倒し、はやく仲間のセーラー戦士と合流できるよう頑張ってくれ。」
「私が…セーラー戦士・セーラーシャロン…」立ち上がり、思わず空を見上げるシャロン。セーラースーツのセーラー襟とリボン、スカートが風になびいていた。

5.妖魔ラフレシアとの戦いと敗北
 ザルドン戦から数日が過ぎた。
 それまで下魔に遭遇し、数体の下魔を倒すことができ、あゆみ、セーラーシャロンは自信をつけていた。
「セーラー戦士って、けっこう大変ね…。こんなに魔物がいるなんて。でも、なんとか倒せてるわ。あとは、はやく仲間を探さないと」
つぶやきながら通学路を歩くあゆみ。
と、その時、強い妖魔の気配を感じた。
「っ!近くに妖魔がいるわ!」
その時、誰かの大きな悲鳴が聞こえた。
「ぎゃああああああああーっ!」
「あのビルの上ね!」
急いで階段を駆け上がるあゆみ。
雑居ビルの屋上の扉を開けると、ツタ状の触手に絡まれた男性が倒れていた。その触手には赤い薔薇がいくつも咲いていた。
「どうしたんですか!大丈夫ですか!」
あゆみが声をかけたが、男性はそのまま消滅してしまった。
「っ!ひどい!誰がこんなことを…」
「私よ。私は妖魔ラフレシア。魔王ザグルス様の配下。私は花の妖魔だけど、お花が大好きでね。お花…特に薔薇の花を咲かせるのが生き甲斐なの。ただ…私の咲かせる薔薇はちょっと変わっていてね。人間のエナジー…命を養分にして咲かせるのよ。「死の薔薇」っていうんだけどね。今もあの人間のエナジーを吸収して薔薇を咲かせたばかり。でもちょっと色が悪いわね。捨てちゃいましょ。」
 触手から赤い薔薇をむしり取って足で踏みつけるラフレシア。
 「ひどい!人の命を養分に薔薇を咲かせて楽しむなんて。絶対に許せない!」
 「ゆるせなければどうするの?お嬢さん?」
 「私が倒します!チェンジ!ウォーターパワー・クロス・アップ!」
 青白い光につつまれ、セーラーシャロンに変身するあゆみ。
「水の戦士セーラーシャロン!人間に危害を加える魔物!海の神ポセイドンに代わって私が退治してあげます!」
「フフフ、ついに変身したわね。セーラーシャロン。待っていたわ。」
「え?どういうこと?」
「言ったでしょう。私は人間のエナジーを養分に薔薇を咲かせることが生き甲斐だって。だから、偉大なる魔王ザグルス様に青い薔薇を捧げたいと思って、お前を待っていたのよ」
「青い薔薇?何を言っているの?青い薔薇なんてこの世に存在しない。色水を吸い上げさせただけの偽物よ」
「そんなことは知っているわ。神でさえも作り出せない奇跡の花、青い薔薇。それを捧げることができたらザグルス様はどんなにお喜びになるかしらね。そして、青い薔薇を作り出す方法はあるのよセーラーシャロン。それはね、青いセーラー戦士である貴方のエナジーを養分にすること。私はあなたを薔薇の養分とするためにおびき寄せたのよ。罠にかかったわね、セーラーシャロン!」
「っ!」
驚愕と恐怖で思わずひるむシャロン。しかし、セーラー戦士としての覚悟がシャロンを奮い立たせる。
「残念ね、ラフレシア、私はあなたの薔薇の養分になんかならない!私が退治してあげます!ハッ!」
シャロンがラフレシアに立ち向かう。
シャロンとラフレシアの凄まじい格闘戦、パンチやキックを応酬する2人。
「これでもくらいなさい!ブルー・ランサー!」
シャロンがザルドンを倒した技、ブルー・ランサーを放つ。しかし、ラフレシアは片手で払いのける。
「っ!」
「ザルドンを倒した技だから使いたくなるのもわかるけど、別に強力な技じゃないのよ。弱点に正確に命中しない限り、どうってことない技なのよ。あなたは正面から妖魔と戦って勝つ力なんて無いのよ。だからエナジーの無駄遣いしないでくれる?」
ラフレシアの嘲笑に唇を噛みしめるシャロン。
「セーラーシャロン、あなたには魔界の花の魅力をもっと知ってほしいわ。デス・フローラル!」
自分の花弁から金色の花粉をばらまくラフレシア。
「えっ?なに?…うっ!」
金色の花粉を浴びたシャロンが苦しみ始める。
「うう!頭が…くらくらする…身体がしびれる…目がかすむ…げほっ!ごほっ!」
せき込みながら、ふらふらとよろめくシャロン。
「どう、私の毒花粉の香りは?普通の人間であれば、すぐに中毒死してしまうけれど、さすがセーラー戦士ね。まだ立っていられるの。でも、すぐに死んだ方がよかったと思えるかもね。」
シャロンに襲い掛かるラフレシア。立っているのがやっとのシャロンはかわせず吹っ飛ばされ、地面を転がる。
「あぐううっ!ううっ!」
倒れてうめくシャロンの下腹を激しく踏みつけるラフレシア。
「あがあっ!ぐああっ!ぐう!」
踏みつけられて、必死で足を動かしながらもがくシャロン。
「フフフ、あなたセーラー戦士だっていうけど、たぶん一番弱いんじゃないかしら。ザルドンとの戦いを見ていたけど、必殺技も今一つだしね。知力は高そうなのは認めるけど、でも戦いには役に立っていないわね。弱すぎて話にならないわ。」
ラフレシアは倒れているシャロンを思い切り蹴り飛ばした。
「うああああっ!」
もんどりうって転がるシャロン。身体のダメージが蓄積していく。
「くっ!強い…。このままじゃ、やられちゃう…。よし、弱点を探るわ。バイザー…」
「あぐううっ!?」
突然シャロンが苦悶の声を上げる。ラフレシアが操るツタ状触手がシャロンの細首と両手に巻き付いていた。
「ああっ!しまった!うぐううっ!」
サーチバイザーとミニコンを呼び出す暇もなく動きを封じられるシャロン。
「そうはさせないわセーラーシャロン。私、レディーだから、じろじろ見られたり探られたりするの、好きじゃないのよねぇ」
「うっ!くうっ!」
必死に触手を振りほどこうとするが、触手は固く絡みついて離れない。
「セーラーシャロン、あまりこんなところで遊んでいる暇はないのよ。ぐずぐずしていると鮮度も落ちるしね。だから、早く私の館に行きましょう。」
「だ…誰があなたの館なんかに!」
「お馬鹿さんね、セーラーシャロン。誰もあなたの了解なんか求めていないわ。」
ラフレシアが操る触手がシャロンを襲う。
胴体に、両足にさらに触手が巻き付く。
「ラフレシア!なにをする気!?」
「私の館に運ぶのに抵抗されると困るから、ちょっと寝てもらおうと思ってね」
シャロンの首に巻き付いている触手がぐっと締め上げる。
「あぐっ!ううっ!くるし…あが…」
悶え苦しむシャロン。しかし、抵抗することもできず、静かに失神した。
「さあ行きましょう、セーラーシャロン。美しい薔薇を咲かせに…」
気を失ったシャロンを連れてラフレシアは魔界の館へとワープしていった。

6.闇に咲いた青い薔薇
ラフレシアの館。
不気味なツタが壁や床を這い、天井から伸びた何本ものツタ状触手が、シャロンの両腕、身体、首、両足に絡みつき、〇〇していた。
シャロンは気を失ったまま、ぐったりと触手によって吊るされている。
ラフレシアは捕えた獲物を満足そうに眺めていた。
「私の夢だった奇跡の花がやっと手に入るのね。楽しみだわ。人間の血潮の色と言っても所詮はよくある赤い薔薇。つまらない。私の薔薇コレクションの新たな一ページを、このセーラーシャロンが開いてくれるのね。」
その時、シャロンが目を覚ました。
「あ…うう…ここは…?ううっ!」
触手状のツタにがんじがらめにされている自分に気が付いて動揺するシャロン。
「ようやくお目覚めね。セーラーシャロン。私の薔薇の館へようこそ。」
「くっ!」
力を振り絞って触手を振るほどこうとするシャロン。しかし、それは無駄な努力だった。
ラフレシアがシャロンに近づき、ほほを撫でながらやさし気な声で囁く。
「ねぇ。いいこと思いついたのセーラーシャロン、あなたにとってもけして悪い話じゃないわ。私の僕になりなさい。そして、そのエナジーを私に貢ぐ家畜になるの。そうしたら、あなたが生きていられるだけのエナジーは残してあげるわ。あなたは私の僕として生き続けることができるし、私はずーっと青い薔薇を楽しめる。お互いにとって得じゃない?ウフフ、セーラーシャロン、どぉ?」
「ふざけないで!私は海の神・ポセイドンの力を受け継ぐセーラーシャロン。妖魔のあなたの僕になんか絶対にならない!」
シャロンが気丈にラフレシアに言い放った。
「そう、立派ねセーラーシャロン」
「がほっ!」
「でも、お馬鹿さんね!」
ラフレシアのツタ触手が鞭のようにシャロンを打った。なすすべもなく打撃を受け、荒い息をしながらぐったりするシャロン。
ひとしきりシャロンを痛めつけた後、ラフレシアが微笑んだ。
「それでは、セーラーシャロンのエナジーをいただくわ。楽しみでゾクゾクしちゃう」
「ううっ!や…やめて…」
「さあ、触手たちよ。セーラーシャロンのエナジーを吸い取るのよ!」
シャロンに巻き付いたツタ触手がシャロンを締め上げ、エナジーを吸収し始めた。
「うああああーっ!くるしいっ!エナジーが…吸い取られてくっ!」
脂汗をかき、悶え苦しむシャロン。そして、触手のあちこちから「赤い薔薇」が咲き始めた。
「あら?…やめなさい!」
ラフレシアがイラついた様子で触手にエナジー吸収をやめさせた。
「あ…う…」
ぐったりするシャロンにラフレシアが近づく。
「これはただの赤い薔薇?」
ラフレシアが不満そうに薔薇をむしって投げ捨てた。そして荒い息をしているシャロンの顎をぐいっと上げた。
「何、あなた、青いセーラー戦士のくせに赤い薔薇しか咲かせられないの?役立たず?」
「何言ってるの…。そんなの私のせいじゃない…」
「私は青い薔薇を咲かせるため、その養分としてあなたを捕らえたのよ。それなのに赤い薔薇しか咲かないんじゃ、そこらへんのゴミ人間と一緒じゃない。時間の無駄だったようね。でも役立たずだから解放されると思わないでね。役立たずは罰を受けてから殺してあげるわ。苦しんで、苦しんで、苦しみぬいて死ぬのよ、セーラーシャロン。」
シャロンに絡みついている触手が一気にシャロンを締め上げた。
「ぐうううっ!苦しいっ!息が…できない…身体が…ばらばらにされそう…ぐううああああーっ!」
「一気には殺さないし、失神もさせないわ。お前が一番長く苦しむように、ギリギリのところで抑えてあげる。ウフフフ。あなた、弱いけど、その悲鳴と苦しむ顔は最高の逸品だわ。もっと苦しみなさい!」
触手に電撃が走る。
「うああああああーっ!あああああああーっ!」
白目を剥いて悶え苦しむシャロン。その様を見て笑い転げるラフレシア。
「あーはははははははは!水の戦士であるあなたの弱点は電撃を食らうこと。あらゆる攻撃からあなたを護るセーラースーツも、あなた自身に水の属性があるから電流が流れやすくなる。苦しいでしょ?」
「あぐううう!負けない!負けたくない!んああああああーっ!」
 身体を痙攣させ、白目を剥いて悶え苦しむシャロン。
 やがて、飽きたのか電撃を中断させるラフレシア。そしてさらに邪悪な思いつきで顔をにやつかせながら、シャロンに近寄り、スカートの下に手を入れた。
 「っ!?なに…する気…」
 「ねぇ、セーラーシャロン、この瀕死の状態でここを…いじられたらどうなるの?セーラースーツのレオタードは妖魔のあらゆる攻撃からセーラー戦士を護る。でも、所詮は薄布。直接責められたら防ぎようがないわよね?そしてあなたはウブなオンナノコ。例えばこんなことはどうかしら?」
ラフレシアが自分の指をしゃぶり、そしてシャロンの股布を少しずらして、秘裂に指を差し入れた。
「ひゃああああっ!?なにをするの!」
「ウフフフ、こんな状態でも、正義のセーラー戦士でも、感じちゃうんじゃない。ポセイドンに代わってとか偉そうに言っているけど、身体は淫乱なオンナノコなのね、シャロンちゃん?」
ラフレシアが差し入れた指でかき回し、秘豆をはじく。
「んあああっ!ああっ!ひいいっ!やめっ!ひゃあああーっ!」
突然の別次元からの責めに全く対処できず、混乱しながら悶え喘ぐシャロン。
「ほんのちょっといじっただけなのに、こんなに感じるなんて弱いくせに生意気ね。なんだかしゃくにさわるわ。ちょっと首を絞めちゃお!」
「うぐうっ!んあああっ!あぐうううっ!」
触手に首を絞められつつ秘部を責められ、ラフレシアのおもちゃのように弄ばれるシャロン。
絞首と電撃と秘部への責めを連続して受け、痛めつけられるシャロン。
やがてそれも終わる時が来た。
「あー面白かった。でも、あなたの声にも顔にももう飽きたわ。もうおしまい。赤い薔薇しか咲かせられない役立たずのエナジーだけど、全部吸収して私のパワーにしておいてあげるわ。ね、セーラーシャロン?触手よ、セーラーシャロンのエナジーをすべて吸い取りなさい!」
「うう…うああああーっ!ぐううう!くるしいっ!」
苦しむシャロンの悲鳴を背景に再びエナジーを吸い取り始める触手。と、
「ちょっと待ちなさい!なぜ!?青い薔薇が咲いてきた!」
驚きと歓喜の声を上げるラフレシア。
触手に咲いた青い薔薇を手に取り、調べるラフレシア。
「間違いない…これこそ私が追い求めていた青い薔薇。やはりセーラーシャロンの青いエナジーを養分にすれば咲かせられる。私の考えは正しかったのね。でもさっきはただの赤い薔薇だったのに、なぜ?」
ぐったりとしたシャロンをながめ、ひらめくラフレシア。
「わかったわ!単にあなたのエナジーを吸収するだけじゃ、普通の赤い薔薇しか咲かせられない。でも、極限の苦しみと絶望、そしてそれと相反する快楽と興奮を与え、肉体と精神を極限まで追い詰めながら絞り上げれば、熟成され、蒸留された極上の青いピュアエナジーが抽出できる。そしてそのエナジーが得られれば、幻の青い薔薇が咲かせられるのね。幻の青い薔薇…セーラーシャロン、あなたに敬意を表して『シャロンの薔薇』と命名してあげるわ。光栄に思うことね。では、セーラーシャロン、魔王ザグルス様に『シャロンの薔薇』を捧げなさい!」
触手が準備を整えるように、シャロンの身体を締め上げ、股布に張り付いた触手が妖しく蠕動する。
「あぐうっ!うううっっ!くふううっ!」
身を震わせて悶えるシャロン。
「ああああっ!やめてぇ!くるしいっ!わたし、こわれちゃう!おかしくなっちゃうううーっ!」
「壊れればいいのよセーラーシャロン。あなたなんか、養分としての価値しかないわ。あーはっはは!さあ、触手たちよ、セーラーシャロンの青いピュアエナジーを喰らいなさい!」
シャロンの身体から触手に強いエナジーが流れ込み始めた。 瀕死のシャロンから、一気に青いエナジーが吸収されていく。
「くううあああああーっ!あああああああーっ!くるしいっ!いやあああああーっ!」
白目を剥いて悶え苦しむシャロン。
シャロンに絡みついた触手のあちこちに青いつぼみが膨らみ、すぐさま美しい青い薔薇が咲き始めた。美少女戦士の命の雫をむさぼりながら咲いていく、妖しくも美しい青い死の薔薇『シャロンの薔薇』
「これが…幻の青い薔薇なのね。海のような深い青、そしてきらめき…なんて美しいの…。ザグルス様に捧げる最高の贈り物になるわ…。さあ、セーラーシャロン、ザグルス様への贈り物にするにはまだまだ数が足りないわよ。最後の一滴まであなたのエナジーを差し出しなさい!『シャロンの薔薇』の大きな花束をザグルス様に捧げるのよ!」
「うあああああああーっ!ぐあああああーっ! うっ!うううっ!うあっ!うああっ!」
触手で全身を締め上げられ、なすすべもなくエナジーを奪われていくセーラーシャロン。その悲鳴と絶叫を伴奏に触手には次々と青い薔薇が開花していく。
「苦しい…力が…抜けてく…っ…うううっ!」
無理やりエナジーを吸い出される高負荷により、セーラーブローチに何度も青い火花が散る。
(ポセイドンさん…ごめんなさい…わたし…もう、ダメ…。仲間のセーラー戦士に会う前に死んじゃうなんて…。やっぱり私には戦士なんて無理だったんだ…くるしい…意識が…遠くなってきた…)
 ダーン!
大きな爆発音がして、シャロンの胸のセーラーブローチと額のティアラが黒焦げになった。そして、セーラーシャロンの首ががくんと落ち、全身が弛緩して手足がだらりと垂れ下がった。瞳から輝きを失ったシャロンを縛り上げた触手には、美しい青い薔薇が満開となって咲き乱れていた。
「あら、ついに死んじゃったようね。しょせんは小娘、もろかったわね。まあいいわ、これだけたくさんの青い薔薇を咲かせられたんですもの。もう、用済みね」
 触手の〇〇が解け、崩れ落ちるように倒れて横たわるセーラーシャロン。その身体はもうぴくりとも動かない。
 セーラーシャロンは妖魔ラフレシアに敗れ去った。

7.冥界にて
(あ…う…ここは…?)
 青い静かな不思議な空間にたたずむシャロン。
(ここは、ポセイドンさんに力をもらったところ?、そうか、わたし、また死んじゃったのか…)
ふと、自分の胸に目を落とすと、壊れたブローチが目に入った。
「っ!せっかく、ポセイドンさんにもらった新しい命…セーラーシャロンの力…私は何もできずに失ってしまった…。やっぱり私には無理だったんだ…。魔王から世界を救うなんて…ポセイドンさん!私…ごめんなさい…」
ポセイドンの声が響く。
「セーラーシャロン、君の戦いは終わってしまったのか?これを見なさい」
ラフレシアの館の様子が映し出される。
青い薔薇を得て、歓喜するラフレシアと床に冷たく転がって動かない自分の身体の様子を見たシャロンは思わずうつむいた。
ポセイドンの声が響く。
「セーラーシャロン、魔王の力が強くなっている。私が君を助けてあげられる時間は残り少ない。分け与えてあげられるエナジーももうない。だが、このまま終わっていいのかセーラーシャロン。セーラー戦士になることを決めた時のことを思い出せ。妖魔に君の大切なエナジーを奪われて、魔王に捧げられていいのか。どうすればいいかは、これからは自分で考えるんだ。そして、最後のアドバイスだ。聖なるエナジーは君を生かし、君を護り、君とともに戦うものだ。攻撃に使うときは相手にどういう打撃を与えればいいかを考えて放てば、もっと有効で強力な技も使えるようになる。君にはそれができるはずだ。たのんだぞ、セーラーシャロン…」
「ポセイドンさん!」
しかし、ポセイドンの声はそれっきり聞こえなくなった。
呆然としていたシャロンだったが、顔を上げた時、覚悟は決まっていた。
「このまま負けられない…私は美少女戦士セーラーシャロンだもの、妖魔なんかに、大魔王なんかに私の大切な聖なるエナジーを渡さない!そして、世界のみんなを護る!」
セーラーシャロンの瞳に光が戻った。
 
8.復活、そしてラフレシアとの再度の戦い
 「うふふふ、セーラーシャロンは倒したし、『シャロンの薔薇』は手に入ったし、私こそザグルス様の臣下一ね。きっとほめていただけるわ。そしていずれは后に…」
 その時、青い薔薇が急に輝きだした。
 「え!?なに!?なにが起こっているの!?」
 慌てふためくラフレシア。
 そして、突如、全ての青い薔薇から青い光が放たれた。その光は空中で束になり、倒れているセーラーシャロンのブローチに吸い込まれていく。
 「な?何が起きているの!?」
 その瞬間、周囲はまばゆい光につつまれ、ラフレシアも視界を失った。
 やがて、光が収まった時、ラフレシアが怒声を上げた。
 「これはどういうこと!?青い薔薇が…私の『シャロンの薔薇』が…黒い薔薇になっている…」
 先ほどまで美しく輝いていた青い薔薇はいずれも黒いボロボロの薔薇となり、粉々になって消え去っていく。
 「残念だったわね、ラフレシア」
「セーラシャロン!?どうして!?」
そこにはセーラーシャロンが立っていた。セーラーブローチもシャロン・ティアラも美しい輝きを取り戻している。
 「あなたは私のエナジーを奪ったけど、あなたはそれを自分のエナジーとせず、すべて青い薔薇を咲かせるために注ぎ込んでしまった。あなた自身にエナジーを吸収されてしまったら、私のエナジーはあなたのパワーアップに使われてしまったけど、エナジーは青い薔薇に貯められたままだった。だから、私は青い薔薇からエナジーを回収して復活したの。青い薔薇のおかげで私は再び立ち上がることができた。『シャロンの薔薇』は私の薔薇よ、ラフレシア!水の戦士セーラーシャロン!人間に危害を加える魔物!海の神ポセイドンに代わって私が退治してあげます!」
「おのれええ!セーラーシャロン!私の大切な青い薔薇を!許さない!今すぐもう一度殺してあげるわ!」
触手がシャロンに襲い掛かる。とっさに床に転がってかわすシャロン。
「アハハハ!セーラーシャロン、復活したとは言え、私と戦って敗れた時に戻っただけじゃない。必殺技を破られたあなたはなにも変わっていない。もう一度私に敗れるだけよ。違うのは、この場でお前が殺されること!」
(確かに、今のままじゃラフレシアには勝てないわ。アクア・フラッシュも、ブルー・ランサーも効かない。技のエナジーも吸収されるかもしれない。毒花粉を吸ったら身体はしびれて動けなくなる。触手の攻撃が激しくて、バイザーとミニコンで分析する暇もない。どうすれば。。。戦いながら考えるしかない!まずはあの毒花粉!)
ラフレシアの攻撃をかわしながら間合いを詰めるシャロン。
「アクア・ウオーター!」
エナジーの力を使って償還した大量の水が奔流となってラフレシアに降り注ぐ。ずぶぬれになるラフレシア。
「ぬう!?なんのつもりセーラーシャロン。ただの水を私にかけたってうれしいだけよ。もうこんなことしかできないの?アハハ!毒花粉で動けなくしてあげるわ。デス・フローラル!」
しかし、なにも起こらなった。
「ええ!なんでデス・フローラルが出ないの!?」
慌てふためくラフレシア。
「アクア・ウオーターは水を浴びせるだけの技だけど、あなたの毒花粉を花弁からすべて洗い流すことはできるわ。そして、エナジーを直接ぶつける技じゃないから吸収されることもない!」
続いてシャロンは技を放つポーズを取った。
「シャロン・キャノン!」
エナジー弾がラフレシア…ではなく、館の天井や壁に向かって撃ち込まれた。
爆炎と煙が立ち上り、部屋の視界が一気に悪化した。
「くそっ!セーラーシャロンはどこなの!?」
ラフレシアも触手もシャロンを見失って右往左往する。圧倒的な触手攻撃を視界を悪化させることによって一時的に無力化したシャロン。
煙の中で気配を消しつつ、シャロンはラフレシアの弱点を分析する時間を得た。
「サーチバイザー・オン!サーチ!」
煙の中でも正確にラフレシアを捕らえ、データを測定するバイザー。
バイザーの測定したデータをミニコンで解析するシャロン。そして…
「わかったわ、ラフレシアの弱点が!」
煙が薄らぎ、お互いの姿を確認するシャロンとラフレシア。
「小癪な真似をしてくれるわねセーラーシャロン。でも、もう同じ手は使えない。逃げることもできない。観念しなさい!」
「ラフレシア、私はあなたを許さない。次の攻撃で絶対にあなたを倒します!」
「勇ましいことね、やれるものならやってごらんなさい。あなたの技は私には効かないわ。そして全エナジーを使い果たした時がお前の本当の最後の時よセーラーシャロン!」
(本当、これがきっと最後の攻撃だわ、ポセイドン、観ていてね。私は負けない!)
シャロンのブローチにエナジーが集中する。
「シャロン・ブリザード!」
シャロンの掌から放たれた強力な冷凍光線がラフレシアを直撃する。
「ははは…なにこの技…っ!これは!?ギャアアアアッ!」
ラフレシアの表面が見る見るうちに凍結し、結氷していく。
「あなたは植物の妖魔。植物は低温にさらされると細胞が破壊される。それに、さっきあなたはアクア・ウオーターでずぶぬれになったばかり。凍結される条件はそろっていたのよ。」
「ぐあああああっ!」
苦しみ暴れるラフレシア。しかし、ミニコンとバイザーの分析のとおり、植物系妖魔であるラフレシアは寒さに弱かった。動きが緩慢になっていき、ついに氷塊の中に封印された。本体が氷結していくと、触手たちも氷結し、力を喪った。
「凍結されてしまえば、エナジーを吸収することも動くこともできないわ。これで終わりよ!再生できないように完全に消滅させる!私の全エナジーを使った最大の技で!」
セーラーブローチに残りのエナジーを集中させるシャロン。新たな技の名前を叫ぶシャロン。
「シャロン・インパクト!」
シャロンの聖なるエナジーの奔流が右手から放たれ、ラフレイアの氷塊を直撃する。木っ端微塵に砕け散るラフレシア。
「やった…ううっ!」
最後のエナジーを振り絞った必殺技で身体のダメージが跳ね返り、思わずふらつき、片膝をつくシャロン。
「はぁ…はぁ…か…勝ったわ…」
エナジーの消耗に苦しみながらも立ち上がるシャロン。
「ラフレシア…恐ろしい敵だったわ。『シャロンの薔薇』…二度と咲かせたくない花ね。そのためには魔王ザグルスを倒さないと…」
胸の前で手を組むシャロン。
「セーラーテレポート!」
シャロンは魔界のラフレシアの館から脱出した。

9.美少女戦士の決意
 シャロンは、ラフレシアと戦った屋上に立ち、夜景を眺めていた。
ビルの灯りや車のネオンサインが宝石のように輝いている。
 「この平和で幸せで、いろんな人が一生懸命生きている、この世界を私が守らなくちゃ…。だって、わたしは美少女戦士セーラーシャロンだもの。仲間を探して、魔王と戦うわ」
そして、自分のセーラースーツに目を落とした。
「はじめは少し恥ずかしかったけど、この聖なるスーツは、一緒に戦う大事な仲間よ。これからもよろしくね。」
胸のセーラーブローチがキラリとひかり、シャロンはうれしそうに微笑んだ。
 美少女戦士セーラーシャロン。彼女の苛烈な戦いは始まったばかりだった。

HAPPY END
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ということで、セーラーシャロン誕生の物語でした。
セーラールーメスやセーラーAみたいに、時間を遡るかたちでエピソード0が語られる「ファントム・メナス」スタイルです。
ルーメスやAは作品が連続してリリースされる中での製作で、ビジュアル的にも違和感はあまりないのですが、討伐シャロンのリリースから6年、白目シャロンのリリースから5年が経過し、普通なら6年前より前のキャラクター演じるのは無理じゃない?となるところ、女優さんが聖なるエナジーで守られているのか、さらに可愛いく、全く違和感ないので「ファントム・メナス」ものを書いてみたわけです。(おなみさんが6年ぶりに復活したメリウスに背中を押されたこともあります。)
ポイントととしては
〇女優さんは当然、あの方に当て書き。
〇逆算して過去作につながる展開のため、過去作との設定の連続性を意識する。(弱点、口癖等)
〇過去作へのオマージュも込める。(例えば、過去作で出てきた技は全部出しました)
〇過去作へつながるのでハピエン。
〇単なるエナドレではなく、何かを目的としたエナドレとする。
〇「シャロンの薔薇」という言葉、モチーフをうまく使う。
〇「ヒロイン討伐」なのでアクションシーンやヒロピンシーンは大目に。
〇エナドレ、絞首、触手、電撃、腹パン、踏みつけといったヒロピン定番は盛り込む。
〇反面、エロ要素はほどほど。(そのあたりは作品化される時に監督と女優さんの相談でどこまでやるかは判断)
〇G衣装部謹製のセーラースーツを堪能するため、変身解除やスーツ損壊は無し
〇太陽光の明るい環境下でスーツを楽しみたいため、外ロケ多め(シーン1~5及び9。ただし、スタジオの近辺で対応可)
という感じです。

 相変わらずプロットというよりSSになってしまいました。
 また、悲鳴も「うあああああーっ!」とか単調でもつい書きたくなってしまって書いたのですが、実際は女優さんの演技を全面的に信頼しているので、映像化されたら神作品になると思います。
 ヒロピン神作品のセーラーシャロン、どんな形でも再映像化を祈ります!


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1人 がいいねと言ってます
みかん
タイトルが青いバラだし、ラフレシアには負けるのかな?と思っていたら、死の淵から蘇ってのリベンジ展開で驚きました。 こういう健気な王道ヒロインのハッピーエンドはいいものですねえ(^v^)
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