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■タイトル
ヒロイン絶望 〜ミス・グレイスの崩壊〜 [No.10929]
■プロット
ミス・グレイスこと湊マリアが、死の恐怖に負けてデロスに降伏し、命乞いの代償として敵の実験台となって、永遠に苦痛と恐怖を味わい続ける物語。マリアは過去にデロスの基地で痛めつけられたトラウマを押し殺し、強化されたバトルスーツで出撃する。だが戦いの最中に過去の恐怖が蘇り、戦闘不能となって捕獲されてしまう。敵の女幹部サドメアと怪人たちは、新しいスーツの能力を知るために、改めてミス・グレイスを痛めつける。救出に来た仲間たちは、新型スーツの限界を知った怪人たちに殺されてしまう。恐怖に屈したミス・グレイスは、命乞いの代償として、デロスの実験台となることを誓う。ミス・グレイスは新たに製造された怪人たちの実験台にされ、想像を絶する苦痛と恐怖を味わい続ける。実験の度に泣き叫び、失禁しながら許しを乞うミス・グレイス。デロスの実験室には、今日もミス・グレイスの絶叫が響き渡るのだった(討伐作品です)
プロローグ:悪夢の底で
場面は湊マリアの寝室。悪夢にうなされるマリア。
冷たく湿った空気が肌をなでる。鉄の匂いが、鼻腔に焼きついていた。瞳を閉じるたび、あの光景が蘇る。
「やめて……お願い……もう、お願いだから……やめて……っ」
かすれた声が夢の奥底でこだまし、体が硬直する。叫びたいのに、声は消え、逃げたくても足は鉛のように重かった。
頭の奥には、かつて囚われた「絶望の時間」が繰り返される。鋭く閃く電撃。焼けるような熱。嗚咽と命乞い。すべてが鮮やかに蘇る。
そして――
その記憶の一点、鋭い痛みと共に走った恐怖に、マリアの心も身体も限界を迎えた。
全身の制御が崩れた瞬間、股間からじわりと温かい液体が広がっていく感覚が、あまりにも生々しく襲いかかる。
ベッドのシーツが濡れていくのがわかる。
太腿を伝って広がるぬるりとした感触――それは夢の中の錯覚ではなく、現実に失禁しているという確かな証だった。
悲鳴とともに崩れた自律神経は、今なお彼女の身体を支配し、理性では止められなかった。
恐怖が理性を突き破り、ただ羞恥も自責も消し飛ぶほどの圧倒的な「敗北」の実感だけが、胸の奥を支配していた。
湊マリアは、自らの記憶の底に沈む「敗北の原風景」に、今も縛られていた。
「――マリアっ!」
瞼を開けると、鋭い白い光が視界を引き裂いた。喉が痛く、心臓が跳ね上がる。汗が背中を伝い、息は荒く、止まりそうだった。
シーツの下――脚の間には、ぬるりとした湿り気が残っていた。下腹部から太腿にかけて、現実が夢と地続きだったことを物語っている。
隣で心配そうに見つめる大賀健二(レッド)が、そっと声をかける。
「また……見たんだね。あの夢を」
マリアは震える唇を噛みしめ、弱々しくうなずいた。しばらく躊躇したのち、彼に聞こえるか聞こえないかの声で、言葉を漏らす。
「……ごめん。私……こわくて……また……漏らしちゃった……」
その言葉に、自らの情けなさと、抗えない記憶の重さが滲んでいた。かつて華やかに輝いたヒロイン“ミス・グレイス”の面影は、闇の中に完全に消えた。
「……私……また戦えるのかな……」
その声は、まるで遠い世界から漏れる囁きだった。
第一章:揺らぐ再起
隊本部の訓練室では、バトルフューチャーのメンバーたちが沈痛な空気の中、再編成の準備を進めていた。
「マリアが戻ってきてくれて、本当に良かった」
ブルーが口を開くが、マリアは俯いたまま目を合わせようとしない。
「でも、私は……」
その言葉の先を彼女は呑み込む。
心の中に焼きついたトラウマの影が、彼女の足を引き止めていた。
だが、次第に迫り来る敵の脅威――再び現れたデロスによって、事態は動き始める。
新型の強化されたスーツが完成し、バトルフューチャーの全隊員に支給される。マリアも“ミス・グレイス”として戦列に復帰するが、心の傷は癒えていない。
霧が立ち込める戦場で、彼女はスーツの力で戦闘員を圧倒する。強化されたスーツが身体に馴染み、ミス・グレイスはかつてのように華麗に敵を薙ぎ払っていく――だが。
ギィィィ……ギチ、ギチギチ……。
機械とも肉塊ともつかぬ異様な音が、濃霧の向こうから聞こえてきた。その瞬間、彼女の動きが止まる。
霧を割って現れたのは、全身を黒い鋼の鱗で覆い、背からは赤黒い触手のような器官を蠢かせる異形の存在――怪人“アビス・ファング”。
その禍々しさ、その気配。その全てが、かつて彼女の心をへし折った“あの日”を完璧に呼び起こしていた。
「……あ、あれは……やだ……やだやだやだっ……来ないで……っ!」
震える声が、誰にともなく漏れた。ミス・グレイスの両脚ががくがくと震え、硬直した身体が言うことを聞かない。
背筋を這い上がる冷たい恐怖。心臓が耳の奥で暴れ、喉が張り付いて呼吸すら苦しい。
敵を倒すために設計されたスーツが、今はただの檻のように重く、彼女の身体を束縛していた。
「ミス・グレイス! マリア、応答しろっ!」
仲間たちの声が耳に届いているはずなのに、霧の奥で響く呻き声にすべてをかき消される。
五人で放つはずだった必殺技も発動できず、隊は瓦解寸前に追い込まれていく。
「マリア、逃げろ! 撤退命令だ!」
叫びが飛び交う中、ミス・グレイスの足元に、怪人の触手が這い寄ってきた。
その異様な動きに、彼女の視界がぐにゃりと揺れた。
「や、やだ……無理……もう、こわい、いや……っ!」
突如、彼女の身体から小さな水音が漏れた。
じわ……。
スーツの内側で、熱い液体が太ももを伝い、膝裏まで染みていく。
それが何であるか、本人が一番わかっていた。だが、止められなかった。
(やだ……やだ……!私、失禁してる……!いや……こんなのいや……!止まらない……怖い……こわい……!)
恐怖で、理性も、誇りも、身体の制御すらも、すべてが壊れていた。
崩れるように膝をつき、そのまま地面に両手をつく。
「いや……もう、やだ……こわい……! たすけて……っ……!」
涙と震えに濡れた彼女の声は、もはや戦士のものではなかった。
その時、霧の中からもう一つの気配――冷たい視線を伴って、誰かが歩み寄る。
「ご無沙汰ね、ミス・グレイス」
低く、感情の読めない声。
デロスの女幹部、サドメアだった。
彼女の存在に、ミス・グレイスの最後の理性が完全に砕けた。
瞳が見開かれ、叫びも声にならず、ただ涙と失禁の痕を残したまま、彼女の意識は暗転する。
気絶した彼女の身体を、怪人が抱えあげる。
すべてが、再び始まろうとしていた――。
第二章:実験施設
ミス・グレイスは再び囚われの身となり、デロスの地下実験施設に運ばれた。
意識を取り戻し、ふらふら立ち上がった彼女の前に立ちはだかったのは、女幹部サドメアと、電撃を操る怪人クラウディア。
「新しいバトルスーツみたいねえ。どこまで耐えられるか、試してやるわ」
サドメアが冷たく宣告する。
ビリビリと空間を震わせる放電音が鳴り響く。次の瞬間、スーツに強烈な電流が走り、ミス・グレイスの体は痙攣するように跳ね上がった。
「きゃあああっ!や、やめてっ……っ、そんなの……やめてぇぇ……っ!」
全身を走る高圧電流が神経を焼き、指先から背骨まで、骨の髄にまで鋭い痛みが突き抜ける。
「体が焼けるぅっ……!もう動けないよぉ……っ!」
電撃が収まると、肩で息をするミス・グレイスは、全身から湯気を上げながら床に崩れ落ちた。そしてその体の下に、生ぬるい水たまりが広がっていく。あまりの激痛と恐怖に、彼女は自分が失禁したことすら気づいていない。
続いて現れたのは火焔を操るヒュドラ。
「これは……新型スーツの耐火性能を測るだけよ」
倒れたままのミス・グレイスを、火炎が螺旋状に包む。スーツの表面が赤熱し、焦げ付く空気に、ミス・グレイスの悲鳴が重なる。
「あつっ……あついっ!やめてぇっ、燃えちゃうぅ……お願いっ……!」
灼熱の波が皮膚感覚を侵食し、全身が熱の檻に閉じ込められていく。
「体が焼ける……焼けちゃうっ……もう無理っ、助けて……っ!」
スーツが溶けかけた瞬間、変身は意思に反して解除され、インナー姿の湊マリアとして気絶した。ハイレグのインナーが、マリアの汗と失禁で濡れている。
サドメアが気絶したマリアを引きずり起こし、意識を回復させる。
「さあ、もう一度。まだ終わってないのよ。死にたくなければ変身しなさい」
涙を流しながら、マリアはもう一度ミス・グレイスに変身する。
磁力を操るフェムが続けざまに登場する。
「お前の関節がどこまで曲がるか、見てみようかしら?」
磁力でスーツの各部をねじ曲げるように操作され、体をゆがめられたミス・グレイスは叫ぶ。
「うぁあああっ……いたいっ、いやっ、もうやめてっ!壊れちゃう……壊れちゃうよぉ……っ!」
腕や脚が本来の角度を超えてねじれ、骨と筋のきしむ音すら耳に響く。
「もうやめてっ……お願いやめてっ……いやぁっ……やめてぇぇっ……!」
苦痛と恐怖が極限に達し、再び意識を失う。
そのまま力なく床に崩れ落ち、硬い床に頬を打ちつけた彼女の体から、再び熱を帯びた液体が静かに滲み出していく。
制御を失った身体は完全に弛緩し、ミス・グレイスの変身が解除される。汗と失禁でずぶ濡れになったインナーが露わになり、デロスはそれを実験データの一環として記録した。
だが、治療の後、彼女はまたも無理やり変身させられた。
その地獄は、彼女の意志とは無関係に、何度も繰り返された。
第三章:降伏の誓い
バトルフューチャー本部では、マリアの居場所を探す捜索が続いていた。
やがて、潜入任務によりデロスの実験施設の位置が特定され、隊員たちは救出へ向かう。
敵に囚われたマリアを発見する仲間たち。
変身は解除され、無防備なインナー姿をさらしている。
そして、そこには既に、準備を終えたサドメアと三体の怪人が待ち構えていた。
「レッドっ……お願い、来ないで……!」
新型スーツの限界を熟知した三体の怪人の連携により、レッドたちは次々に倒されていく。
「そんなっ……レッドっ……みんなっ……!」
目の前で仲間が沈んでいく中、マリアの心は崩壊寸前だった。
「さあ、残っているのはお前だけよ」
そう告げるサドメアの声に、マリアは膝をつく。
「お願い……殺さないで……なんでも……なんでもするから……っ」
その瞬間、彼女の下腹部に温かい感覚が再び広がった。
ハイレグのインナーは、本来なら戦闘時の可動性を高めるためのものだったが、今やその股間部は無防備に濡れ始め、失禁は布地を瞬く間に染み抜け、内腿をつたって滴り落ちていった。
全身の力が抜け、股間から漏れ落ちた液体が床を静かに濡らしていく。彼女の意識は羞恥すら感じる余裕を失っており、ただ命を繋ぐことだけに必死だった。
「なんでも…なんでもします…殺さないで…お願い殺さないで…」
サドメアは無感動な目でその様子を見下ろし、声を低く落とす。
「命が惜しいのね。ならば、選びなさい。デロスの実験台になることを受け入れれば……命だけは助けてあげるわ」
その言葉は、慈悲でも救済でもなかった。提示されたのはただの条件。絶望の中にぶら下げられた細い綱だった。
マリアは、歪んだ呼吸の中で何度も首を縦に振り、そして泣きながら縋るように叫んだ。
「やります……実験台にでも何にでもなるから……お願いっ……お願い、殺さないで……っ」
命乞い。それは、かつてヒロインとして人々を守った彼女の最後の誇りを、完全に砕くものだった。
第四章:実験兵器
サドメアは無言で銀色のブレスレットをマリアの足元に投げ落とした。
それは、旧型のものよりも冷たく無機質な、新しい変身装置だった。
「立ちなさい、湊マリア。変身しなさい。これは命令よ」
その言葉に、マリアはおそるおそる顔を上げ、震える手でブレスレットを拾い上げた。
足元には小さな水たまりができ、股間と両脚は冷たく濡れそぼっていたが、もはや羞恥も不快も感じる余裕はなかった。ただ、命令に従うことだけが、生き延びる唯一の道だった。
「……ほんとに、これで……助けてくれるの……?」
サドメアは冷たい笑みを浮かべたまま、答えなかった。だが、それはイエスと同じだった。マリアは唇を噛み、声を振り絞る。
「……わかった……やる……やります……」
震える手でブレスレットをはめて立ちあがり、最後の一滴の覚悟を絞り出す。
「──バトルチェンジ……っ!」
まばゆい光が彼女の体を包み、再び”ミス・グレイス”が現れる。だがその姿は、誇り高いヒロインではなかった。実験台として命令に従う、ただの操り人形だった。
最初に現れたのは「毒クラゲ」型怪人クラロス。
粘液に濡れた触手を無数に蠢かせながら、ぬるりと足音もなく近づいてくるその姿に、ミス・グレイスの体は強張った。
たしかに彼女は、自ら実験台になると誓った。
「死にたくない」と命乞いし、抵抗しないと約束したはずだった。
けれどその異形の姿を目にした瞬間、理性よりも早く、本能が悲鳴を上げる。
「や……やだ……こんなの、こんなのいや……っ」
恐怖に引きつった声が漏れ、ミス・グレイスは一歩、また一歩と後ずさる。
「こないでっ……やめてっ……!」
だが逃げ場などない。
クラロスは粘液に濡れた触手を静かに伸ばし、ミス・グレイスのスーツの隙間を探るように、じわじわと滑り込ませていく。最初は細く、探るように。やがて、それが幾重にも絡みつき、身体全体を束ねるように締め付けていった。
「やめてっ……やめてぇっ……っ!」
腕を引こうとしても遅い。手首から二の腕へ、腰、太腿、首筋へと触手が這い上がり、冷たい粘液がスーツの内側にまで染み込んでくる。
触手の先端から注入される電気毒に、ミス・グレイスの体がびくりと跳ね上がる。
神経に直接火花が走るような痛み。手足の感覚がぶつ切りになるように分断され、身体が自分のものでないような錯覚を生む。
「いたいっ、いやあっ、お願いぃ……もう無理ぃ……やめてぇえっ!」
悲鳴とともに、全身が震えだす。痺れと圧迫感、そして感覚の崩壊に、ミス・グレイスの瞳は焦点を失いかけていた。
「わたし……なにされてるの……こわいっ、こわいよぉっ……!」
限界を超えた痛覚と恐怖に内臓が締め付けられ、膀胱が再び開き――股間からじわりと熱が広がる。
足の内側を伝って、液体がゆっくりと滴り落ちていく。
「いや……また……やだ、やだよ……っ」
クラロスの触手は、まるで彼女の恐怖を嗅ぎ分けるように、無慈悲に、機械のような正確さで締め上げていく。意識が朧になりかけたその瞬間、ようやく次の実験段階へと移行した。
次に投入されたのは「吸血ヒル」型怪人――リューガ。
実験室の天井から投げ込まれた無数の黒く光るヒルが、ミス・グレイスの体にまとわりつく。
スーツの表面に吸いついた瞬間、ジジジッと小さく鳴る音とともに、スーツのエネルギーが吸い取られていく。
「いやっ、やめてっ、気持ち悪いっ……やだ、助けてぇっ!」
ヒルはどこまでも執拗だった。太腿、腹部、首筋、肩口……スーツの至るところに何度も吸盤を押し付け、にじり寄るように執着する。
「だめこんなのっ、こんなの、こんなのたえられないぃぃっ!!」
スーツのエネルギーは急激に減衰し、システムが悲鳴のような警告音を上げた。
その直後──変身が解除され、エネルギーを失ったマリアは崩れるように意識を落とした。
それと同時に、限界を迎えた身体の奥から、膀胱が小さく痙攣するように震え――。
「……っ」
マリアのインナーの股間部が、じわりと熱を帯びて濡れ広がった。
意識を落とす瞬間、制御の切れた身体から、抑えきれなかった液体が静かに溢れ出したのだ。体の下に広がっていくそれは、彼女が意識を失う間際まで感じていた、最後の“現実”だった。
失神したマリアは治療され、改めて実験室に戻される。再び変身を強いられたミス・グレイスの前に現れたのは、「寄生虫」型怪人――ゼノム。
身体の周囲に漂う淡い霧のような胞子――それは微細な粒子となってスーツの表面を侵食し、まるで液体のようにじわじわと染み込む特殊な寄生性微生物だった。
スーツの防御機能は役に立たず、霧は繊維の隙間から浸透し、肌へとまとわりついてくる。
「やだっ……やめてぇ……体に染みこんでくる……気持ち悪いっ……っ、やめてよぉっ!」
ぞわりと這い上がるような不快感が全身を包み、ミス・グレイスは必死に身をよじるが、どこまでも霧はまとわりつくように体表へ吸着し、じわじわと皮膚の中へと入り込んでいく。
「いやっ……からだの中に……なにか入ってきてる……っ!」
寄生体は皮膚のバリアをすり抜け、微細な管を伸ばして神経と血管に絡みつく。体温や脈動を感知しながら、じわじわと内側から根を張るように侵食していく。
「やめてっ、わたしの中……触らないでぇっ、入ってこないでぇええっ!」
ミス・グレイスの意識は、内側から何かに乗っ取られていくような錯覚に包まれ、理性が溶けかけていた。
「助けて……体が、体がっ……こわい、こわいよぉっ……!」
境界が曖昧で、どこからどこまでが自分なのかすらわからない。
身体の奥にまで届く異物感と、絶え間ない恐怖と苦痛に、彼女の意識は白く飛び、限界を迎えた肉体はついに床へと崩れ落ちた。
静寂。ミス・グレイスは床に倒れ込み、息も絶え絶えに肩を上下させていた。
床に倒れた体の下で、じょろ……と音を立てるように、温かい液体が広がり始めた。
肉体が限界を超えた瞬間に、ミス・グレイスの膀胱は再び弛緩し、変身したままのスーツの内側で失禁が始まっていた。
湿った熱が下腹部から太腿、脚の下へと静かに流れ出て、床に小さな水たまりを作っていく。
だが、その感覚に反応する余力すら、彼女にはもう残っていなかった。
もう動けない。もう、これ以上は――
だが、その願いが届くことはなかった。
薄暗い実験室の奥から、ゆらりと新たな影が姿を現す。
鋭利な鋼鉄の刃を体中に備えた、昆虫型怪人「スティンガス」。
ギィ、と関節をきしませながら、無機質な眼光で倒れたミス・グレイスを見下ろす。
「……やめて……こないで……もう、やめてよ……お願い、許して……っ」
床に這いつくばったまま、ミス・グレイスはかすれた声で命乞いを繰り返した。涙も声も、もう形にならない。
それでも怪人は、止まることなく足を踏み出す。冷酷に、淡々と。
それはまるで、感情など一切持たぬ機械のようだった。
どれだけ懇願しようと、この実験に終わりはない――その事実だけが、鉄のような重さで彼女の胸を圧し潰していく。
やがて、スティンガスの刃のような指先が、彼女のかすかに動く体へと伸びた――。
実験は、まだ終わらない。
エピローグ:終わらない悲鳴
冷たい檻の中、マリアは膝を抱えていた。
「……もう、終わらせて……お願いだから……」
そこへ現れるサドメア。
「今日はまた、新しい実験よ。楽しみにしていなさい」
意思に反して変身させられたミス・グレイスは、再び実験室へと連れ出される。
扉が閉まったその瞬間、中から響くのは――
「いやぁぁぁあああっ!!やめてええええっ!!お願いぃぃぃぃっ!!!」
実験室に響き渡る絶叫。
それは、終わることのない地獄の序曲だった。
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