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■タイトル
警捜戦隊デイトナレンジャー デイトナブライト [No.10744]
■プロット
第1章:銀の輝き、戸惑いの熱
眩いスポットライトの下で、星月ゆりは完璧な舞いを披露していた。
体操界のアイドルであり、絶対的なエース。
愛らしい笑顔と、鍛え上げられた肉感的なボディラインは国民的な人気を博し、「体操の妖精」とまで呼ばれた。
けれど、彼女の本質はストイックな完璧主義者。勝利こそが全て。
そんな彼女の日常は、侵略者「ネガ・インベーダー」の出現によって終わりを告げた。
類まれなる身体能力と精神力。
それが、彼女を警捜戦隊デイトナレンジャーの一員、銀色の戦士「デイトナブライト」へと導いた。
「――ヴィーナス・エナジー、チャージ!」
人気のない埠頭。
革ジャンとジーンズスカート姿のゆりは、愛機デイトナターボから降り立ち、右腕のブレスレットを高々と掲げる。
眩い銀色の光――ヴィーナスエナジーが迸る。
それはただの光じゃない。
身体の芯を貫き、細胞の一つ一つを震わせるような、未知の奔流。
「くっ……!」
奥歯を噛みしめる。
初めてこの力を受けた時の、あの奇妙な感覚が蘇る。
意思とは無関係に、全身の神経がむき出しにされ、直接掻き乱されるような……。
熱い痺れが背筋を駆け上り、下腹部の奥がきゅっと縮む。
(集中……集中よ、私!)
初変身の記憶が蘇る。
あの時は、未知の感覚に意識が持っていかれかけた。
コントロールを失いかけた、不快な奔流。
完璧主義の彼女にとって、それは消し去りたい汚点であり秘密。 ある意味敗北だった。
銀色の光が、ゆりの衣服を撫でるようにして粒子へと変えていく。
革ジャンが、ジーンズスカートが、肌の上を滑るように消えていく。
無防備な姿を晒す、一瞬の羞恥。倉庫の窓の向こうには、敵の気配。
光が収束し、ブレスレットに吸い込まれる。
露わになるのは、シンプルな黒の下着に包まれた、アスリートの肢体。
豊かな胸のカーブ。引き締まったくびれ。丸みを帯びたヒップライン。
モデルとも称されるそのプロポーションが、暗がりに浮かび上がる。
刹那、メタリックピンクの光沢を放つインナースーツが生成される。
それは第二の皮膚のように、寸分の隙間なく身体に吸い付いた。
ワンショルダーのデザインが片方の肩と鎖骨を大胆に見せ、薄い生地は下着のラインを、そして胸の先端の硬さを、ありありと浮かび上がらせる。
装着時の微かな振動が、敏感な肌をくすぐるように刺激した。
「は……ぅ……」
思わず、吐息が漏れる。
すぐに硬質な銀色のオーバースーツが装着される。
それでも、内側のインナースーツの密着感、身体の曲線は隠しきれない。
白銀の強化服と、柔らかな身体の対比が、妙な生々しさを放つ。
グローブとブーツが装着され、最後にヘルメットが現れる。
半透明のスモークグレーのゴーグルが装着され、変身完了。
「デイトナブライト、推参!」
凛とした声。
変身時の不本意な熱っぽさは、戦士としての覚悟の下に押し込めた。
だが、銀色の装甲の下で、彼女の肌はまだ微かに熱を帯びていた。
第2章:憧れと、ねじれた視線
デイトナブライトの活躍は、たちまち世間の注目の的となった。
体操界のアイドルが正義のヒロインへ。
そのギャップ、凛々しい戦闘スタイル、そして時折見せる苦悶の表情や汗に濡れた姿が、人々を熱狂させた。
だが、光あるところには影がある。
彼女への視線は、純粋な応援ばかりではなかった。
ネットの片隅では、彼女のスーツ姿が匿名性の陰で歪んだ話題となっていた。
戦闘でスーツが傷つき、インナースーツが覗く瞬間。ダメージを受けた際の、苦しげな息遣い。
それらが切り取られ、本来の意味とは違うニュアンスで拡散されていく。
「インナーのフィット感、ヤバい」
「苦しんでる顔、もっと見たい」
「変身バンク、あの瞬間だけループ再生しちゃう」
熱狂的なファンの中にも、彼女を「聖女」として崇める一方で、その清らかさが脅かされることへの倒錯した期待を持つ者が現れ始めていた。
体操選手時代の、身体のラインが出るレオタード姿。
競技後の、紅潮した頬と汗。
それらが、デイトナブライトの姿と重ねられ、独りよがりの偶像崇拝を加速させていた。
そして、敵組織「ネガ・インベーダー」も、デイトナブライトという存在を警戒し、その弱点を探っていた。
戦闘データだけでなく、彼女の精神性――完璧主義ゆえの脆さ、敗北への恐れ。
さらに、彼らはある情報に注目していた。
体操一筋で生きてきた彼女の、異性に対する経験の乏しさ。
「フフフ……興味深いデータだ。触れられることに慣れていない、か。実に、愛で甲斐がありそうだ」
ネガ・インベーダーの新たな幹部、その声は粘つくような響きを帯びていた。
モニターに映るデイトナブライトを眺めるその目は、獲物を見定める爬虫類のようだった。
第3章:不快な刺激、揺らぐ冷静さ
戦いは激しさを増していた。
ネガ・インベーダーは、デイトナブライト対策として新型の強化戦闘兵「リビドー・ソルジャー」を投入。
彼らの狙いは、物理的な破壊よりも、感覚への干渉にあった。
「なっ……!?」
リビドー・ソルジャーとの初戦闘。
敵の腕から伸びた複数の銀色の触手が、鞭のようにしなり、ゆりに襲いかかる。
回避するが、数本がスーツの上から身体に絡みついた。
それは、ただの拘束ではない。
「あ……ぁッ!?」
触手の表面から放たれる微弱なパルスが、スーツの感覚増幅機能を悪用し、神経を直接ざわつかせる。
痛みとは違う、じわじわと広がる不快な痺れ。
特に、腹部、太腿の内側、胸の脇を這う触手の動きは、意図的に嫌な箇所を狙っているように感じられた。
「や……やめて……!」
意思とは裏腹に、身体がピクンと強張る。
呼吸が浅くなり、立っているのがやっとだった。
敵はゆりの反応を観察するように、触手の締め付けやパルスの強さを変えてくる。
「クッ……こんな、もので……!」
屈辱に唇を噛みしめ、デイトナソードで触手を薙ぎ払う。
だが、隙が生まれた。別の触手が背後から忍び寄り、腰から臀部にかけてのラインを、なぞるように這った。
「ひゃぅッ!?」
思わず、情けない声が出た。
戦闘中にこんな反応を……完璧な自分でありたいゆりにとって、それは耐え難い屈辱だった。
冷静さを欠いた一瞬の隙を、敵は見逃さない。リビドー・ソルジャーの重い一撃が脇腹にめり込む。
「かはッ……!」
壁に叩きつけられ、衝撃でスーツの一部が破損。メタリックピンクのインナースーツが露わになる。
汗で肌に張り付き、身体の起伏をより克明に示していた。
そこへ、ゆっくりと拍手をしながら近づく影。
黒いタキシード風の装束に、仮面をつけた長身の男。
ネガ・インベーダー幹部、「サディスティック・マエストロ」。
「素晴らしい……実に興味深い反応だ、デイトナブライト。いや、星月ゆり君」
粘りつくような声が、ヘルメットの中で反響する。
どうして本名を……? 混乱するゆりに、マエストロは歪んだ笑みを向けた。
「君のことは、研究させてもらったよ。その完璧主義、敗北への恐怖……そして、そのスーツの『ちょっとした秘密』もね」
マエストロが指を弾くと、リビドー・ソルジャーが再び襲いかかる。
今度の攻撃は、より的を絞っていた。マエストロは指示を出し、スーツのエネルギーラインや、インナースーツが特に薄く、外部からの刺激が伝わりやすい部分――脇の下、膝裏、そして脚の付け根あたり――を執拗に狙わせる。
「あ……うぅ……やめなさい……!」
痛みと、それ以上に精神を削る屈辱的な刺激。ゆりの意識が揺らぎ始める。
敵の攻撃は、まるで彼女の身体の『反応点』を知っているかのようだった。
「どうしたんだい? もっと抵抗したまえ。体操の時のように、華麗にね!」
マエストロの言葉が、棘のようにプライドを刺す。
こんな……こんな屈辱を受けるために、私は戦士になったわけじゃない!
「デイトナ……フィスト!!」
最後の気力を振り絞り、個別武器デイトナフィストを構えようとした瞬間、マエストロの持つ細い鞭のような武器が、正確にゆりの手首を打った。
「あっ!」
デイトナフィストが手から滑り落ちる。
絶体絶命。
その時、他のデイトナレンジャーのメンバーが到着し、マエストロたちは撤退した。
後に残されたのは、スーツが半壊し、インナースーツ姿で荒い息をつくゆりだけ。
仲間たちの心配そうな視線が、今はただ痛い。
マエストロが口にした「スーツの秘密」という言葉。
それが、不吉な影となって、ゆりの心に深く、重くのしかかっていた。
第4章:裏切りの囁き、折れた翼
マエストロとリビドー・ソルジャーの出現は、戦いの質を変えた。
敵はゆりの精神的な弱点を狙い、彼女を消耗させる戦術をとった。
戦闘のたびに、ゆりは屈辱的な感覚と、それに対する自己嫌悪に苛まれた。
そんな中、悲劇が起こる。
激しい戦いの末、デイトナレンジャーのメンバーが一人、命を落としたのだ。
仲間の死。
完璧な勝利以外を認められないゆりにとって、それは自分の不甲斐なさ、敗北を突きつける残酷な現実だった。
「私の……せい……」
基地の自室。
膝を抱え、うなだれるゆり。冷静沈着な彼女には似合わない、弱々しい姿。
責任感と罪悪感が、心を押し潰していく。
追い打ちをかけるように、世間の風潮が変わった。
ヒロインとしてもてはやしたメディアは、手のひらを返してバッシングを開始した。
「デイトナレンジャー敗北!」「戦犯はデイトナブライトか?」「高給取りのお飾り」――
そんな見出しが躍り、コメンテーターは無責任な批判を繰り返す。
体操選手時代の映像や、戦闘中に苦しむゆりの表情が、面白おかしく、あるいは扇情的に編集されて流された。
ネット上では、さらに辛辣な言葉が飛び交う。
「やっぱり女はダメだな」「さっさと交代しろ」「負け顔、もっと見たい」
かつて応援してくれた人々が、今は石を投げつける。
守るべきはずの市民からの、冷たい悪意。ゆりは深い孤独を感じていた。
悲しみ、自責の念、世間からの非難。
ゆりの精神は、限界に近づいていた。
そして、彼女はまだ気づいていない。
この苦境の裏で、静かに、しかし確実に進行している、最も卑劣な裏切りがあることを。
基地内部に潜む、内通者。「コードネーム:ユダ」。
その人物は、デイトナレンジャーの機密情報、そして星月ゆり個人の極めてプライベートな情報――初変身時のアクシデント、異性経験の乏しさ、身体の特に敏感な箇所、精神的な弱点――を、ネガ・インベーダーや、悪意を持つ何者かに流し始めていた。
見返りは、金銭ではない。
「ユダ」が望むのは、星月ゆりという存在への、歪んだ形での個人的な支配感だった。
マエストロがゆりの弱点を知っていたのも、リビドー・ソルジャーの攻撃が的確だったのも、全てはこの内通者の仕業だったのだ。
銀色の聖女を取り巻く、見えざる悪意の網。
それは、確実に彼女へと迫っていた。
第5章:暴かれた素顔、忍び寄る影
非情な現実は、ある日突然、ゆりを襲った。
非番の日、買い物を終えて自宅マンションに戻った時だった。
エントランスに見慣れない男たちが数人。
彼らはゆりを見るなり、下卑た笑みを浮かべた。
「おい、本物だぜ」
「星月ゆり……いや、デイトナブライト様、じゃん」
「いつも見てますよ~。あのスーツの下、どうなってんのかなって」
嘲るような声と共に、スマートフォンのレンズが向けられる。
フラッシュ。不躾な言葉。
どこから……? いや、考えるまでもない。「ユダ」だ。
遂に、星月ゆりの正体が、悪意ある者たちの間に広まってしまった。
その日から、ゆりの日常は一変した。
自宅周辺には、常に誰かの視線を感じるようになった。
一部の過激なファンがストーカーと化し、彼女を「自分のもの」にしようと歪んだ行動を取り始めた。
ゴミを漁る者。無言電話をかけてくる者。ポストに気味の悪い手紙や写真を投函する者。
「あなたを見ている」「あなたの全てが欲しい」
狂気に満ちた執着が、ゆりの神経をすり減らしていく。
マスコミやパパラッチの取材も、節度を失っていた。
「デイトナブライトであることは事実ですか!?」「仲間の死について一言!」「戦闘中のあの声、やっぱり…?」
配慮のない質問が、無遠慮に投げつけられる。
プライベートな時間は奪われ、常に誰かに見られているという感覚に苛まれた。着替え中や入浴中に、窓の外に気配を感じることもあった。
街を歩けば、好奇と侮蔑が入り混じった視線に晒される。
ひそひそ話。嘲笑。隠し撮り。
「ヒーローなんだから仕方ない」「なんか、そそられるよね」
守るべき市民からの、無自覚なナイフのような言葉が、心を深く傷つけた。
そして、決定的な脅威が訪れる。
ある日、ゆりのスマートフォンに届いた、差出人不明のメッセージ。
添付されていたのは、デイトナブライトが戦闘でダメージを受け、インナースーツ姿で苦しむ、未公開のはずの映像の一部。
『君の秘密は、こちらで握っている。立場を守りたければ、要求に従え』
最初の要求は、大金だった。
指定された口座へ振り込め、と。
司令部に相談すべきか? いや、情報がどこまで漏れているか分からない。「ユダ」の存在を考えると、内部にも危険があるかもしれない。
事が公になれば、デイトナレンジャー全体の危機に繋がる。
苦悩の末、ゆりは金を振り込んでしまった。
それが、さらなる悪夢への扉を開けることになるとも知らずに。
脅迫者の要求は、金だけでは終わらない。
それは、明らかだった。
第6章:屈辱の檻、迫る要求
金を払って数日後。ネガ・インベーダーによる大規模な襲撃の報が入った。
指定された現場へ急行するゆり。
だが、それは巧妙に仕掛けられた罠だった。
現場で待ち受けていたのは、サディスティック・マエストロと、多数のリビドー・ソルジャー。
彼らは、ゆりの正体を知った上で、彼女をここに誘い込んだのだ。
「お待ちかねだよ、星月ゆり君」
マエストロの歪んだ声が響く。
「ヴィーナス・エナジー、チャージ!」
変身しようとするが、周囲に展開されたエネルギー阻害フィールドがそれを阻む。
変身できない!
「無駄だよ。君の変身は、ここでは封じさせてもらった。君は今、ただのか弱い体操選手だ」
リビドー・ソルジャーが襲いかかる。
鍛え上げた身体能力で必死に応戦するが、生身では多勢に無勢。
動きを封じられ、地面に押さえつけられる。
抵抗する中で、服が乱れ、肌の一部が覗く。
「放して!」
叫び、もがくゆりの身体を、無機質な手が押さえつける。
その感触が、言いようのない屈辱と恐怖を掻き立てる。
「さあ、少し『お話』を聞かせてもらおうか」
マエストロは、捕らえたゆりをネガ・インベーダーのアジトへ連行した。
冷たい金属の壁に囲まれた、薄暗い一室。
ゆりは、手足を拘束され、椅子に座らされた。抵抗する力は、もう残っていない。
「まずは、その強気な仮面を剥がしてあげよう」
マエストロの狙いは、ゆりの精神的な破壊。
彼は、ゆりのプライドを、尊厳を、踏みにじることで悦びを得るタイプだった。
直接的な暴力よりも、じわじわと精神を追い詰めることを好んだ。
「君の身体は、芸術品だ。鍛え抜かれ、しかし、驚くほど『反応』が良い」
マエストロの手が、ゆっくりとゆりの肩に触れる。
「ひっ……!」
ゆりは身をすくませるが、拘束具がそれを許さない。
マエストロの指は、服の上から、身体のラインを確かめるように滑っていく。
胸のカーブ、くびれ、そして腰へ。ねっとりとした視線が肌を這うようで、強い嫌悪感を覚える。
「体操選手は、身体が柔らかいというね? その反応を、じっくり観察させてもらおう」
彼は、リビドー・ソルジャーが使うものより小型の、しかし同様に不快な刺激を与える装置を取り出した。
「や……やめて……!」
懇願は無視され、装置の先端が首筋に触れる。
ピリッとした感触と共に、背筋にぞくりとするものが走る。
「あ……ぅ……」
息が止まる。マエストロは愉しむように、刺激する場所を変える。
耳の後ろ、鎖骨、脇腹……ゆりが特に過敏に反応する場所を、正確に突いてくる。これも「ユダ」の情報なのか?
「声を出したまえ。君の美しい声が聞きたい」
嘲る言葉と共に、刺激は少しずつ大胆になる。
服の上から、胸のふくらみに触れられた瞬間、ゆりの身体は大きく震えた。
「いやぁっ!」
羞恥と、身体が勝手に示す反応への嫌悪感で、涙が滲む。
完璧でありたい自分が、敵の前で、こんなにも……。
その事実が、ゆりの心を折っていく。
マエストロによる精神的な揺さぶりは、執拗に続いた。
言葉による侮蔑。そして、身体への不快な接触。
体操で鍛えた筋肉は、意に反してこわばり、敏感になった肌は、わずかな接触にも過剰に反応してしまう。
汗が流れ、呼吸は浅く速くなり、意識は屈辱感で混濁し始めていた。
どれほど時間が経ったか。
ゆりの精神は、もう限界だった。
ただ、この不快な状況から解放されたい。それだけだった。
その時、ゆりのスマートフォンが鳴った。
マエストロはそれを手に取り、スピーカーにして応答した。
聞こえてきたのは、あの脅迫者の声。
『星月ゆり、金は確かにもらった。だが、それだけでは足りない。次は、君自身に『協力』してもらう必要がある』
脅迫者は、ゆりの現状など知る由もなく、冷ややかに告げる。
『今夜、指定のホテルに来い。もし拒否すれば……君のヒーローとしての立場、そして君の『隠したい過去』、その全てを公にする』
絶望的な板挟み。
敵組織による直接的な屈辱。
そして、正体を人質にした脅迫者からの、さらなる個人的な要求。
銀色の聖女は、出口のない檻の中で、ただ震えることしかできなかった。
第7章:銀色の閃光、目覚める意思
絶望の底で、ゆりの意識は薄れかけていた。
マエストロの執拗な接触。脅迫者の冷たい声。
もう、だめかもしれない。ヒーローとしても、人としても……。
だが、その瞬間。
脳裏に、戦いの日々が、仲間の笑顔が、そして純粋な声援が蘇った。
そうだ、まだ……まだ諦めるわけにはいかない。
どれだけ傷つけられ、尊厳を踏みにじられても。
(私は……デイトナブライト!)
心の奥底で、小さな、しかし確かな光が灯る。
それは、怒り。マエストロへの、脅迫者への、そして、屈しそうになっている自分自身への、静かな、だが激しい怒り。
同時に、奇妙な感覚がゆりを捉えた。
これまでの屈辱的な体験によって刻まれた、不快な刺激の記憶。
それは忌むべきもののはずだった。
しかし、怒りと結びついたその感覚は、今、未知のエネルギーへと変わろうとしていた。
「……まだよ」
掠れた声で、ゆりは呟いた。
「まだ……私は、終わらない!」
その瞬間、ゆりの身体から、淡い銀色のオーラが立ち昇った。
エネルギー阻害フィールドがあるはずなのに、内なる力が、それを凌駕しようとしている。
「なっ……!?」
マエストロが目を見開く。
「ヴィーナス……エナジーッ!!」
叫びと共に、銀色の光が爆発的に溢れ出す!
拘束具が砕け散り、傷ついた身体を包み込むように、強制的な変身シークエンスが始まる!
光の中で衣服が消え、メタリックピンクのインナースーツが現れる。
以前よりも、そのラインは艶めかしく、濡れたような光沢を帯びているように見えた。
オーバースーツが装着され、ヘルメットが現れる。ゴーグルの奥の瞳には、怒りと、危うい決意の光が宿っていた。
「馬鹿な……なぜ変身が可能なんだ!?」
混乱するマエストロ。
ゆりにも理由は分からない。
ただ、極限の屈辱の中で覚醒した、生存本能とでも言うべき力が、ヴィーナスエナジーと共鳴したのかもしれない。
「サディスティック・マエストロ……好きには、させない!」
デイトナブライトはデイトナソードを手に、マエストロとリビドー・ソルジャーに立ち向かう。
再び、神経を逆撫でするような攻撃が襲う。触手が、特殊な光線が、彼女の感覚を直接狙う。
「くっ……!」
スーツ越しにも、あの嫌な感覚が伝わる。
だが、今のゆりは、それに怯むだけではなかった。
(この不快感……屈辱……これも、私の力に変える!)
襲い来る感覚を、怒りのエネルギーへと変換する。
身体のざわめきを、剣を振るう力へと変える。
その動きは、以前の正確無比なものとは違い、荒々しく、しかし流れるようで、見る者を惹きつける危うい魅力があった。
リビドー・ソルジャーを切り払い、マエストロの攻撃を紙一重でかわす。
敵の精神攻撃は、もはや彼女の集中を乱せない。むしろ、その刺激が、彼女の闘志に火をつけていた。
「面白い……実に面白いぞ、デイトナブライト! その姿、実にゾクゾクする!」
マエストロは恍惚とした声を上げる。
だが、デイトナブライトの瞳は、冷徹に彼を見据えていた。
追い詰められたマエストロは、最大出力の感覚攻撃を放つ。
常人ならば、一瞬で意識を奪われるほどの強力な一撃。
「ああああああッ!!」
凄まじい感覚の奔流が、デイトナブライトを襲う。
視界が明滅し、意識が遠のきかける。身体は勝手に震え、インナースーツの下の肌が粟立つ。
(だめ……ここで……!)
屈辱的な記憶が鮮明に蘇る。マエストロの視線、不本意な反応、流した涙……。
(……これも……乗り越える!)
その全てを、否定しない。受け止め、力に変える!
「うおおおおおおおッ!!」
デイトナブライトは、右腕のデイトナフィストを構えた。
ヴィーナスエナジーと共に、彼女の怒り、屈辱、悲しみ、そして、この逆境から生まれた新たな決意が注ぎ込まれる。
フィストが、眩い銀色の光と、激しい意志を示すオーラを放つ。
「ブライト……ファイナル……フィストォォォォォ!!」
放たれたのは、魂の叫び。
感覚攻撃を打ち破り、マエストロを直撃した。
「ぐあああああっ!? ば、馬鹿な……この、力は……!?」
マエストロは断末魔を残し、光の中に消えた。
リビドー・ソルジャーたちも機能を停止する。
静寂が戻る。
デイトナブライトは、肩で息をつき、膝をついた。
スーツは破損し、インナースーツが覗いている。
汗が頬を伝い、乱れた呼吸が生々しい。
勝利はしたが、代償はあった。彼女の中には、以前とは違う、何かが確かに芽生えていた。
終章:傷跡と、未来への選択
マエストロの消滅で、ネガ・インベーダーの攻勢は止んだ。
アジトから脱出したデイトナブライトは、仲間たちに保護された。
脅迫者と内通者「ユダ」は、デイトナレンジャーの調査によって特定、確保された。
ゆりを貶めようとした悪意は、ひとまずの結末を迎えた。
メディアは再びデイトナブライトを英雄と讃えたが、その視線には、単なるアイドルへのものとは違う、苦難を知る戦士への敬意のようなものが混じっていた。
しかし、ゆりの心には、消えない傷跡と、確かな変化が残されていた。
屈辱の記憶、不快な感覚の残滓は、時折彼女を苦しめる。
だが、彼女はもう、それをただのトラウマとして拒絶しなかった。
(あれも、私の一部なんだ……)
あの戦いで見出した力は、彼女の中に確かに存在していた。
それは危ういバランスの上に立つ、新しい強さ。
完璧主義の殻は破れ、弱さも、痛みも、そして意に反する反応すらも、自分の一部として受け入れ始めた、しなやかな強靭さが生まれていた。
基地のトレーニングルーム。
黙々と汗を流すゆりの動きには、以前にも増して洗練された美しさと、どこか影のある色香が漂っていた。
「ゆり……」
心配そうに声をかけるリーダーに、ゆりは振り返る。
「……大丈夫。私は、戦う。この力が、私にある限り」
その微笑みは、無垢なアイドルのものではない。
多くを知り、傷つき、それでも前を向く、強い意志を宿した女性の顔だった。
彼女はデイトナブライトとして戦い続ける。
銀色のスーツの下に、傷跡と、複雑な感情を抱えながら。
揺れる純潔を胸に秘めた聖女は、その危うい輝きで、今日も誰かを守る。
その輝きが、新たな試練を呼ぶとしても、彼女はもう迷わない。
それが、星月ゆりが自分で選び取った道なのだから。
夜空を、銀色の閃光が駆け抜ける。
それは希望の光か、それとも……。
その答えは、未来だけが知っている。
【最後までお読みいただきありがとうございました!】
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