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ごー
TGN2G
タイムアスモデウス
ごー
Katherine
Acky
■タイトル 

ワンダーレディ最後の戦い [No.10671]

■プロット
ワンダーレディ
長年地球の平和を守ってきた屈強な戦士。人間で言えば40半ばくらいの見た目だが、肉体は衰えを知らず最強を自負している。後進の育成にも熱心であり、地球各地にヒロインの弟子を持つ。中でもスペリアーガールの実力は認めている。力だけなら自分と同じくらいか、それでも経験の差で、まだまだ遅れは取らない自信がある。


ここ一、二ヶ月の間に何人か連絡の取れなくなったヒロインたちがいる。忽然と、音信不通になってしまった。地域のニュースでも、今までまちの平和を守ってきたヒロインが突如としていなくなり、ヒロインの安否や地域の治安を心配する声が高まっている。WLはSGとともに、ヒロイン失踪の調査に当たっていた。しばらく経過しても手掛かりは掴めず、その間もヒロインは姿を消し続けて若干の焦りが生まれる中、今度はついにSGが姿を消した。
WL「(いったい何が起きているというの?あの子ほどのヒロインに何かあるとは思わないけど、早く真相を解明しなくては、、)」
そのとき、スマートフォンの通知音がなった。一件のメールが届いたようだ。警察から何か手掛かりの連絡かと思ったが差出人は知らないアドレス、動画ファイルが添付されていたので開いたところ、WLは思わず息を呑んだ。それは明らかにSGだった。ただ、いつもとは違う。目に光はなく、虚しく事切れている様子だ。かつては光り輝いていたコスチュームは見る影もなく、泥と汗と血で汚れ、何とか体に張り付いている。顔や体もあざと血に塗れ、壮絶な最期の戦いを匂わせた。怒りに震えるWLはスマホを粉々に砕きたい衝動に耐え、何とか動画の最後にある差出人のメッセージを聞いた。差出人の名前はX、強者と戦うことを目的として宇宙を旅する中で地球に辿り着いたと言う。地球最強と名高いWLと戦うためにこの動画を送ったとのこと。今までのヒロイン失踪の原因はこの男だったのか、怒りに燃えるWLは敵の居場所に向かった。


指定された場所に辿り着くと、Xと名乗る男は隠れることなく待っていた。
WL 「今までのことはすべてあなたがやったのね。許さない、今すぐ罪を償わせてあげるわ」
WLは相手に話す間も与えず攻撃に移った。目にも留まらぬ速さで、パンチやキックを繰り出す。並ぶものない力と熟練の技術による攻撃は、相手に反撃する隙を与えない。WL「(いける、このまま攻撃を続けて、倒しきってみせるわ)」
しかし、10分ほどが経過しただろうか、そこには、傷一つなく平然と立っているXの姿と、汗にまみれて膝に手をつき、肩で息をしているWLの姿があった。WL「(ありえない、、あれだけの攻撃を受けながら、何事もなかったかのように、、)」
WLが敵の強大さに驚きを隠せないでいるところ、Xがついに口を開いた。
X「がっかりだ。地球最強と聞いて楽しみにしていたが、こんなものだったとは。これでは時間の無駄だな。」
WL 「な、なんですって、、」
X「さて、そろそろ私も反撃させてもらおうか」
そんなXの言葉を聞いたと思った次の瞬間、WLは宙を舞っている感覚にとらわれた。それも刹那、次に感じたのは激しく背中を打ち付けられる衝撃。いったい何が起きたのか、WLが朦朧とする意識の中状況を確かめようとしたところで、鋭い痛みが彼女の腹部を襲った。
WL「がはっ、、!?んぐぐぐ、、」
ようやくわかった、敵は、自分の目にも止まらない速さでパンチを繰り出したのだ。反応することすらできず、壁まで叩き飛ばされていたのだ。
気丈にも立ち上がるWL。今の一撃で彼我の力の差は思い知らされた。ただ、それでも、地球の最後の、最強の守護者として屈するわけにはいかない。
WL「はあ、はあ、勝負はこれからよ、、!」
強がりながら、ただ、それでも、鋭さの衰えない攻撃を繰り出すWL。しかし敵ははるかに上手。WLの渾身の攻撃を涼しい顔をして躱しながら、WLを的確に捉える攻撃を繰り出す。一撃、一撃が、今まで経験したことのない痛みを彼女に与えていく。
WL「はあ、はあ、はあ、、、これなら、、どう!?」
WLは腰に手をやり、金色に輝くラッソーを繰り出した。ラッソーはXの体を縛り上げた。
WL「これで終わりよ、大人しく降参しなさい!」
ラッソーはいつも通り機能するはずだった、しかし、
X「なるほど、脳波に干渉する類のものか。しかし、弱いな、貧弱すぎる。ふん、、!」
Xが力を入れたかと思うと、ラッソーは輝きを失い、バラバラにちぎれ飛んだ。のみならず、ラッソーを通じてXの力がWLに注ぎ込まれ、WLの脳を大きく揺さぶった。
WL「がっ、、、!?」
あまりの衝撃にWLの鼻から垂れる一筋の血。
WL「そ、そんな、私の、ラッソーが、、」
そこからは戦闘というよりは蹂躙だった。WLは未だ心折れず反撃を試みるものの、それは何の意味も持たなかった。額のティアラは真っ二つに割れ落ち、代わりに額からは汗の交じる血が流れ落ちる。往時は光り輝いていたコスチュームも、破れ、血と汗の染みたボロ布と化していた。
戦いと呼ぶには一方的すぎる時間がしばらく続いた後、ついに、深紅の戦士は大の字に地面に横たわった。
WL「(はあ、はあ。何という強さなの、、悔しいけど歯が立たない、、。まさかこんなことがおきるなんて。。でも私がここで負けたら、誰がこの星を守るというの、、)」
そのときWLの目に入ったのは、これまでXの前に敗れ散っていったヒロインたちのコスチュームだった。
WL「(そうよ、必死に戦ったこの子たちのためにも、私がここであきらめるわけにはいかない、みんな、お願い。私に力を貸して、、!)」
そのとき、奇跡が起きた。WLが眩い光に包まれたかと思うと、すさまじい量のエネルギーが彼女に凝集した。それはXをして、一瞬防御の姿勢をとらせるほどのものだった。
光の中から現れた彼女は、金色に輝くコスチュームを身に着けていた。傷も癒え、ダメージもうそのようになくなった。今までに経験したことのない力が内から溢れてくる、地球の全ヒロインの力がWLに結集したことが分かる。
WL「(凄い力だわ、、)」
WL自身が驚きを隠せない力、そんな新たな力をもって、本当の勝負はこれからと言いたいところ、だった。が、現実はあまりに厳しい。強くなった今だから分かる、敵の強大さ。これだけパワーアップしても、まだXと伍するには至らないことがわかってしまう。それでも、WLは諦めるわけには行かない。勝利を信じて戦い抜くのみ。
WL「行くわよ!はあ!!」
X「面白い、少しは楽しませてくれるか、?」
最後の攻防が始まった。
確かに先に比べて勝負にはなっている。しかし、勝負になっているだけでは勝てない。WLの感じた通り、パワー、スピード、技術、どれをとってもXが上回る。WLが光速のパンチを放つ。先ほどまでに比べれば信じられないほどの力とスピード。しかし敵はそれを上回る速さで2発のパンチを放ってくる。地球では文句なく一番の力を得た、それでも力比べとなれば、ジリジリと後退させられるのはWLの方だった。
気が付けばコスチュームから輝きは消えていた。徐々に徐々に、ダメージが蓄積していく。それでも彼女は諦めず、必死に食らいついていく。
WL「負けるものか、、!やあ、たあ!はあ、はあ、、」
WLの必死の攻撃の甲斐あり、ようやくXにも鈍いダメージの蓄積が見え始めたところ、突然ピピピとタイマーのような音が鳴った。Xのもののようだった。
X「残念だが、戦いはここで終わりだ。次の星に移らなければならない時間が来てしまった。」
WL「はあ、はあ、、、なん、、ですって、、、?」
X 「本当だったらとっくに戦いを終えて身支度を整えている時間だったんだ。思いがけず楽しめた。感謝する。そうだ、お礼と言ってはなんだが、私の真の姿を見せてやろう」
XL「どういうこと、、?」
X「いま着ているこのプロテクターだが、私を守るためにあるんじゃない、周りの環境を守るためにあるんだ。私が本気を出したらの環境を壊滅させかねない、そのため普段は力を5%に抑えるために、このプロテクターを着けているんだ」
XL「そんな、、馬鹿な、、」
X「楽しませてもらって感謝する。最後に私の真の力を見せてからこの星を去ることにするよ」
そう言うとXはプロテクターを脱ぎ去った。その瞬間、凄まじい力の圧がWLを襲った。一瞬で壁に叩きつけられたWL、同時に悟った。今までの戦いは、Xにとって蟻が巨象に噛みついているようなものに過ぎなかったこと。Xにとっては何ら取るに足らないものであったことを。
XL「あ、、あ、、嫌、、そんな、、」
恐怖、今まで彼女と無縁だった感情が、今や彼女を支配している。
XL「いや、、殺される、、逃げないと」
無様に失禁するWL。それを気にする余裕もなく、腰の抜けた状態で這いつくばりながら逃げようとする。
X「なんだ、折れてしまったか。貴様は少し違うかと思ったが、結局は他と同じだったな。まあいい、もう会うこともないだろう。せいぜいこの辺境の星の守護者として、君臨し続けるがいい」
そう言うとXは名残惜しさを一つも見せず地球を後にした。
そんな状況に気付いているのかいないのか、WLは無残に尿を垂れ流しながら、必死にその場から立ち去る。心の折れた彼女がヒロインとして戦いの場に戻ることはその後なかった。

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