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ごー
タイムアスモデウス
タイムアスモデウス
Katherine
ごー
ボンバーパンク
■タイトル 

生意気・高慢・高飛車ワンダーレディの完全敗北 [No.9689]

■プロット
(あらすじ)
ワンダーレディ(WL)は地球の平和を守るため、悪の組織バッドバブルと闘う正義の女戦士だった。常に高慢で高飛車な態度であったが、その戦闘能力は圧倒的であり、バッドバブルの怪人達を容赦なく撃破していた。
そんな中、バッドバブルの総裁Dr.リッグルは最終兵器を投入する。Dr.リッグルが生涯を賭けて開発したダークアンドロイド キャンディキャットだった。
遂に、WLとキャンディキャットの頂上決戦が繰り広げられるが、その結果は誰も予想できない程、一方的な展開だった。
「世の中、上には上がいる事を教えてあげる」
そう、息巻いて闘いに挑むWLであったが、その実力差は彼女をプライドを崩壊させるのに十分過ぎた。はじめの威勢は何処へやら、ボコボコにされ、命乞いをするも最期は死亡。あまりにも恥ずかしく、屈辱的な惨敗を喫するのだった…。

(登場人物)
ワンダーレディ(WL)
地球にやって来て2年。バッドバブルを相手に地球の平和を守っている正義の女戦士。高慢かつ高飛車で勝ち気な性格。さらに敵だけでなく地球人を見下す事も少なくない。地球人の中でもファンとアンチを二分している。
実は過度のM性癖を持っている。

キャンディキャット
バッドバブルの総裁Dr.リッグルが最終兵器と称するダークアンドロイド。外見はピンクを主体としたロリ系美女。WLをはるかに凌ぐ程の戦闘能力を持っている。

Dr.リッグル
地球征服を企むバッドバブルの総裁。怪人を生み出し、WL抹殺計画を立てるが、連戦連敗中である。


(1)
WLは地球の平和を守る正義の女戦士だ。
高飛車で態度は悪いが、その圧倒的な戦闘能力で悪の組織バッドバブルを蹴散らしていく。

バギィィィィッ…!!!

ドガァァァァッ…!!!

ズゴォォォッ…!!!

「ぐひぃぃぃ~!!!!」

この日もWLの猛攻の前にバッドバブルの怪人はなす統べなく敗北していく。
戦闘能力の差は歴然であり、もはや弱い者イジメに映る程であった。
「ねぇ?もう、終わりなの?アンタさぁ、弱過ぎて、つまんないんだけど」
WLは怪人の股間をグリグリと踏みつける。既に勝敗が決した事は誰の目から見ても明らかである。
その時、WLがある事に気付いた。
「ねぇ?何?アンタ、勃起してんの?もしかしてM?変態じゃないの?」
WLは怪人のペニスをガッシリと掴むと、その手を上下へと動かした。
「あっ、あぐぅぅぅ~!!やめてぇぇぇ~!!お願いしますぅ~!!もう、許して~!!」
怪人が情けない悲鳴をあげる。
「アハハハ!!惨めねぇ!!超絶面白過ぎなんだけど!!ほら!!ほら!!ほら!!ほらぁ!!逝きなさいよ!!ほらぁ!!」
さらにWLの手の動きが加速し、遂に怪人はドピュゥゥッと射精した。
「…ちょっと、アンタさぁ…」
WLは自分の手についた精液を不機嫌そうに見た。
「…汚ないわね…。テメェみたいな薄汚いゴキブリ野郎は、この世から消毒してやるよ!!!!」
「…ひっ…ひぃぃぃぃぃっ~!!」
怪人は逃走を図る。
「喰らえぇぇぇ!!!ダイヤモンドスパークキャノン!!!」

ズゴォォォォォォォォ…!!!!

「ぐはぁぁ…」

WLが放った巨大なエネルギー波は轟音あげながら、いとも簡単に怪人を飲み込んでいった。
怪人はチリとなり、そこには死体すら残ってはいない。
「私の新必殺技はどうだったかしら?最初の餌食になれた事、光栄に思いなさいよ」
WLは満足げな表情でその場を後にした。


(2)
バッドバブルの総帥Dr.リッグルは連戦連敗の惨劇を嘆いていた。
「…おのれWLめ…!!こうなったら、ワシの人生を賭けて開発したダークアンドロイドキャンディキャットNo.13、通称キャンディキャットを起動させるしかあるまい…」
「Dr.リッグル!!お待ち下さい!!まだ、この最強怪人アナコンダがおります!!この私が必ずWLを…」
「ええい!!放せ!!」
アナコンダの制止を振り切り、Dr.リッグルはダークアンドロイドロック装置の解除ボタンを押した。

…!!

そこに現れたのはピンクを基調とした派手な外見の少女だった。
「…キャンディキャット、お目覚めかな?」
恐る恐る問い掛けるDr.リッグルに、キャンディキャットはニコリと笑みを作った。
「…こ、これが、最強の殺戮兵器ダークアンドロイドか…。Dr.リッグルが生涯を賭けて開発した切り札…。とても、そうは見えん…」
アナコンダは拍子抜けしてしまう。
「あ~あ、腹減った~。ねぇ、何か食わせてよ」
「…」
あまりにもイメージとかけ離れたキャンディキャットにアナコンダはふつふつと怒りが込み上げる。
「…Dr.リッグル、どうやら、ダークアンドロイドの開発は大失敗だったようですね…。この小娘が我々バッドバブルの最終兵器とは、冗談にも程がある…」
「…あぁ…?アンタ、何?」
キャンディキャットは不機嫌そうにアナコンダへと近づいた。
「ま、待て!!やめんか!!アナコンダ!!」
Dr.リッグルが何とかその場を収束させようとするが、もはや両者の衝突は回避できない状態だった。
「解放から僅か数分で廃棄処分とは、運の悪い奴だ」
「…」
「どうした小娘!!ビビって動けなくなったか?掛かって来い!!」
「…うるさいわね、もう行ったわよ」
キャンディキャットが冷淡な口調で呟いたその直後だった。

「…アレッ…!?」

アナコンダの両足が真っ二つに切断され、その後、両腕、胴体、頭部と順番にドサドサと崩れ落ちた。
「図体はデカいけど、豆腐並みに脆いわね」
キャンディキャットは呆れたようにそう言った。
『…まさか、あのアナコンダを一瞬で…!!勝てる!!キャンディキャットなら、WLに勝てるぞ!!』
キャンディキャットの予想以上の戦闘能力にDr.リッグルは震えが止まらなかった。
「ねぇ。そこのおっさん、たい焼き食べたいんだけど」
「…へっ…?」
思わぬおっさん呼ばわりにDr.リッグルは唖然とする。
「とびっきり美味しい奴買って来てよ。白餡ね。黒餡だったら殺すよ」
「…わ、わかった…」
「じゃあ、よろしくね」
キャンディキャットは満面の笑顔を見せた。
「さぁて、とりあえず腹ごしらえしたら、全員皆殺しにして、地球を一人占めしちゃおうかな」
戸惑いながらもDr.リッグルは勝利を確信し、グッと拳を握った。


(3)
WLは普段、川島彩芽という地球人女性の姿で生活している。
地球に派遣されて早2年。
地球人としての生活にすっかりと馴染んでいた。

この夜、彩芽は行きつけのバーでお気に入りのカクテルを飲み干していた。
「マスター、もう一杯」
「…彩芽さん、バッドバブルとの闘いはまだ終わってません。奴らはアナタの隙を狙ってます。少し酒は控えた方が…」
「…ねぇ、マスター?少しくらい不調でも、ライオンがゴキブリに負けると思う?私は宇宙最強なのよ。酒が入ってたって、誇り高い百獣の王が最底辺の薄汚いゴキブリに負ける訳ないでしょ?」
彩芽はそう言うと、タバコの煙をフーッとマスターの顔に吹き掛けた。
「彩芽さんの強さはわかってます。ただし、ライオンも蜂に刺されて死ぬ事はあります。心配なのですよ。アナタの事が…」
「ふっ、わかったわよ。今晩は次の一杯で終わりにするわ」

彩芽がそう笑みを浮かべたその時だった…。

「…!?」
WL出動を告げる緊急アラームが鳴った。
繁華街であるジェイドシティでバッドバブルの怪人と思われる者が暴れているとの通報だった。
『WL!!緊急出動を願う!!警察も軍隊も全滅だ!!我々ではどうする事もできない!!過去最大級の被害だ!!至急…』
言葉の途中で音声は途絶えた。
彩芽は仕方なさそうに深いため息をつく。
「この惑星はいつもそう。平和ボケっていうのかしら?自分達の力で自分達の星を守ろうとしなかったツケが回ってきてるのよ」
「はい。彩芽さんの言う事にも一理あります…」
彩芽はタバコの火を消して立ち上がった。
「…力のない正義は無力。そうでしょ?」
それだけ告げると、彩芽はWLに変身し、夜空へと飛び立った。


(4)
WLが到着した時、既にジェイドシティは焼け野原であった。
燃え盛る炎の中、キャンディキャットが満足そうに仁王立ちしていた。
「…Dr.リッグルの新作かしら?今までのガラクタとは、少し違うみたいね…。まぁ、私の敵ではないわ」
「Dr.リッグル?もしかして、このおっさんの事?」
「…!?」
キャンディキャットがポイッと投げたのはDr.リッグルの頭部だった。
さすがのWLも驚愕する。
「…なっ、一体…!?」
「あれだけ白餡だって言ったのに、粒餡買って来るんだもん。白餡売り切れだったって。まぁ、粒餡も美味しかったけどね」
「…ふ、ふざけたお嬢様ね…」
「で、アンタ、偉そうだけど、誰?」
「私?」
WLが唖然とする。
「そう。他に誰がいるのさ」
「まさか、私の事も知らずに地球でデカイ面してたなんてね。私こそ宇宙最強の女戦士WL様よ」
「へぇ。アンタがWL?ちゃんと私にもプログラムされてるわ。それにしてもダサい格好ね。露出狂みたい。恥ずかしくないの?おばさんのくせにさ」
「…なっ…何ですって…!?」
おばさんというワードにWLは過敏なまでに反応する。
「…世間知らずの小娘には、教育が必要よね。このWL様が教えてあげるわ、世の中、上には上がいるってね!!!」

…ダッ…!!!!

WLは一気に間合いを詰めると、目に止まらぬ連続攻撃を繰り出した。

シュッ…!!

ビュッ…!!

シャッ…!!

ヒュッ…!!

その全ての攻撃をキャンディキャットは軽々と躱していく。

「素早さだけはなかなかのものね。でも、蝶のように舞うだけでは私には勝てないわよ。アナタは蜂のように刺せないの…。永遠にね」
「…」
「さぁ、次は手加減しないわよ。あまりの実力差にアナタは絶望するでしょうけど…」
「…本当、よく喋るおばさんね…」
キャンディキャットは呆れたようにため息をついた。
「自分がどんな格好で偉そうな事、言ってるのか、ちゃんと確かめなよ」
キャンディキャットが手に持っていたのは、WLにとって戦士の象徴であるティアラだった。
「…えっ…?」
WLは思わず両手で自分の額を確認する。
「…い、いつの間に…」
「これ、返すね」
キャンディキャットは唖然とするWLの足元へティアラをポイッと投げた。
「おばさん、全然、気付かないから面白過ぎて!!でも、今のでわかったわ。私、左手使わなくても、おばさんに余裕で勝てるわ」
「…はぁ…!?」
WLは血管を浮かせて怒りの表情をする。
キャンディキャットは左手に小型のカメラを取り出した。
「ほら、私、左手にカメラ持っとくからさ、掛かってきなさいよ」
「…小娘め…、後悔しても知らないわよ!!」

ビュッ!!

シュッ!!

シャッ!!

WLの攻撃は次々と空を切っていく。
さすがのWLも全身に汗を搔き、呼吸が乱れはじめる。
「…くそっ…1発当たれば、アンタなんか…」
WLは肩で息をしながらそう言う。
「じゃあ、当てていいよ」
「何ですって…!?」
「私、動かないからさ、早く来なよ」
「…調子に乗るのも…いい加減にしなさい!!!!」

ガゴッ!!

バスッ!!

ゴガッ!!

WLが殴り掛かるがキャンディキャットはびくともしない。必死に殴るWLを涼しい表情で撮影していた。
「このぉぉっ…!!」

パシィィィン…!!!!

「…えっ…?」
渾身のパンチをキャンディキャットは軽々と受け止めていた。
「もう、いいわ。アンタ、弱いわ」
キャンディキャットはグッと握力を込める。
「うがぁぁっ…!!!!」
WLの拳がギリギリと軋むような音をあげる。
「…は、放せ…放せぇぇぇ…!!!!」
WLは必死に抵抗するが、キャンディキャットは余裕の表情を崩さない。
「ハハハ!!必死過ぎて面白いんだけど!!この顔が世界中に配信されてんのよ!!最高!!」
キャンディキャットのカメラは苦悶の表情を浮かべるWLを撮影し続けている。
「…い、いい加減…放しなさい!!このクソガキィィ…!!」
「アハハハ!!放せじゃないでしょ?放して下さいでしょ?土下座でもして、子分にして下さいって言えたら、放してあげるわよ。早くしないと、アンタの拳、腐ったミカンみたいにグシャグシャにしちゃうわよ~」
挑発的な一言にムッとしたWLはキャンディキャットの顔に唾を吐き掛けた。
「…この、ババァ…」
キャンディキャットの表情が一変する。
「死ねぇぇぇぇ!!!!」

ゴスゥゥゥゥゥゥ…!!!!

「あぐぅぅぅぅぅ…!!!!」
キャンディキャットの強烈な蹴りがWLの股間をとらえた。
「…うぅっ…あ、あぐうぅぅ…おぐっ…」
WLは内股になり股間を抑えながら必死に耐えようとするが、両膝がガクリと地面に落ちる。眼球はグルリと上を剥き、遂には重力に従うように頭から崩れ落ちた。
まるで、土下座のようなブザマな体勢で突き上げた尻をピクピクと痙攣させている。
「はぁい!!地球の皆さん!!これが宇宙最強の正義の女戦士(笑)WLさんですよ!!あんだけデカイ口叩いて、あっさり敗北しました(笑)でっかいケツを突き上げて情けない姿ですね~。ほら口から泡まで噴いてますよ~」
キャンディキャットは大笑いし、あらゆる方向からWLを撮影したのだった。


(5)

「ねぇ、起きてよ~!!」

「お~い!!自称宇宙最強のおばさ~ん!!」

キャンディキャットは失神したWLの尻をツンツンと突いて呼び掛けるが、WLは目覚める気配はない。
「仕方ないな。面倒だけど、ビリビリしてあげる」
キャンディキャットはバトン型スタンガンを手に持つとWLの尻に突き刺した。

バリリリリリリリィ…!!!!

「ギャァァァァ…!!!!」

尻から電流を流し込まれたWLは絶叫する。
「たかが8000vくらいで、おばさん、大袈裟ねぇ~」
その姿を見て、キャンディキャットは馬鹿にしたように笑った。
「…こ、このぉ…よくもやってくれたわね…でもね、ここで私を殺さなかった事、絶対に後悔するわよ…」
「私、おばさんを子分にしたくなったのよ。トレーニングしたら、もっと強くなれそうだし、少なくとも他の怪人よりマシそうだしね」
その言葉にWLがムッとする。
『…こんな小娘に、絶対に負けられない…。100%じゃダメ…。120、いや150%のパワーが必要…リスクは高いけど仕方ないわ…。私の全てが、この闘いには賭かってる…!!』
WLは大きく深呼吸をすると、気を集中させてエネルギーを高めた。

ゴゴゴゴゴゴゴゴォォ…!!!!

「…!?」
さすがのキャンディキャットも周囲の異変を察知した。

「もう、泣いて謝っても許さないわ!!全力で叩き潰してあげる!!!!」

…ダッ…!!!!

WLが一気に間合いを詰めた。

ゴスゥゥゥゥゥ!!!!

「がはぁぁぁっ…!!!!」
渾身の一撃がキャンディキャットの腹部に決まった。キャンディキャットの体がくの字に曲がる。

ドゴォォォ…!!!!

ガゴォォォッ…!!!!

ズガァァァ…!!!!

このまま一気に勝負を決めようと、WLは一斉に攻撃を仕掛けた。
「トドメよ!!!!」
WLは両腕でキャンディキャットの体を拘束すると、宙高くへと舞い上がった。

「喰らえぇぇぇぇぇぇ!!!!」

ドゴォォォォォォン!!!!

そのまま上空から急降下し、勢いをつけてキャンディキャットを地面へと叩きつけた。
激しい轟音の後、キャンディキャットは瓦礫に埋もれ、横たわっている。しかし、絶命には至ってはいないようだ。
「あんまり嘗めないでくれる?ちょっと本気を出せば、こんなもんよ!!」
砂埃が舞う中、WLは安堵した表情でそう言った。
「くぅぅぅっ…今のはなかなかだったわ…。でも、まだまだよ…」
キャンディキャットは起き上がろうとするが、ダメージが大きいのは明らかだった。
「そのまま寝てた方がいいわよ。今度は本気で殺すわよ。私、優しくないんだから」
「…ふんっ…!!」
WLの忠告を振り切るように、キャンディキャットは構えをとった。

「これで最期よ!!」

ダッ…!!

WLは確実に仕留めようと、渾身の力を込めて、蹴りを繰り出した。

しかし、次の瞬間だった…。

ガッ…!!

「…えっ…!?」
WLに緊張が走る。
キャンディキャットはいとも簡単にその蹴りを受け止め、笑みを浮かべていたのだ。
「私の中に、プロレスという不思議な格闘技がプログラムされてたの。闘いなのに、攻防が入れ替わって、見てる人を楽しませるっていうルール…。私とアナタの闘いも、見てる人達に楽しんで貰えたかしら?」
「…なっ!?…」

…キャンディキャットはやられる演技をしていただけ…。

WLはすぐにその事を理解できた。

キャンディキャットはWLのバランスを崩し、いとも簡単に押し倒した。
「プロレスの技って、こんな感じかな?」
キャンディキャットがWLの膝関節をねじ曲げていく。

グギィィィィィッ…

「ぎゃぁぁぁ…!!」

WLの膝関節が悲鳴をあげる。
「へぇ。大して力入れてないのに、そんなに痛いんだ。じゃあ、思いっきりやったらどうなるかな?せーの!!」
「や、やめっ…」

WLが「やめて」と言い終える前に、キャンディキャットは力一杯、膝を捻った。

ゴギィィィィィィィ!!!!

「ひぎぃぃぃぃぃぃぃっ~!!!!」

WLは激痛のあまり、足を抱え、地面をバタバタとのたうち回った。
『…マズイわ!!足をやられた…!!とりあえず、離れて、時間を稼がないと…!!』
WLは地面を這いながら何とか間合いを取ると、痛みを堪えて立ち上がった。
「おばさん、その足じゃ、もう、逃げられないね」
「…ふ、ふざけないで…!!私の辞書に逃走などという文字はないわ!!」
WLは苦悶の表情でそう返した。
「強がっても無駄よ。私にはセンサーが内蔵されてるの。おばさんの体温だって、心拍数だって、よくわかるのよ。おばさん、呼吸が早くなってるわ。少し、怖じ気付いてるよね?私に勝てないかもって、内心、ビビってるでしょ?」
「…くっ!!」
WLは何も反論できなかった。
キャンディキャットが言った『恐れのようなもの』が確かに自分の中に生じていたからだ。そして、その『恐れのようなもの』は大きくなっていくばかりで、消える事はなかったのだ。
「図星みたいね。人間って不便ね。心も体もすぐに壊れちゃうのね」
キャンディキャットは勝ち誇ったようにそう言った。
WLはグッと拳を握る。
『…覚悟を決めるしかない!!数日間、動けなくても仕方ないわ…。このままだと、殺されてしまう…』
WLはさらにエネルギーを高め、自滅寸前とされる180%までパワーをチャージした。
『…一撃…。一撃で決める…!!これしか、私に勝ち目はない!!』
キャンディキャットも異変を察する。
「へぇ、まだ、奥の手があるんだ。楽しみ~」
「ふっ…その、ふざけた顔のまま、チリにしてやるわよ…」
WLがエネルギーを集中させる。
「これが宇宙最強のWL様の超必殺技よ!!ダイヤモンドスパークキャノン!!!!」

ゴォォォォォォォォォォォォォォォ…!!!!

WLから放たれたのは巨大なエネルギー波だった。しかし、キャンディキャットは慌てる様子はない。

「なぁんだ…。この程度か、ガッカリ…」
キャンディキャットはつまらなさそうに呟くと、自らの右手をかざした。
「まぁ、30%くらいでいいかな。ブラックホールミラクルボンバー!!」

ドゴォォォォォォン!!!!

「えっ!?」

WLとは比にならない程の巨大なエネルギー波がキャンディキャットから放たれる。WLのエネルギー波をいとも簡単に押し戻すと、そのままWLごと飲み込んでいった。

「ギャァァァァ…」

その破壊力はWLの悲鳴をかき消す程であった。

「…うっ…うぅっ…」
爆発の後、焼けただれたボロボロのコスチューム姿のWLが辛うじて立っていた。
「あ~あ。せっかくの厚化粧が台無しだね」
キャンディキャットは笑いながらWLに近づいて来る。
「…うっ…うぅ…い、嫌っ…」
WLの全身は小刻みに震えていた。
「へぇ。恐いんだ~。人間って恐怖を感じると体も脳ミソも思うように動かなくなるんでしょ?」
キャンディキャットは楽しそうな表情で拳を握った。

ゴスゥゥッ…!!!!

「ぐはぁぁ…!!」

WLは反射的に防御しようとする。しかし、キャンディキャットの拳はその腕ごと顔面に押し込んでいった。

ガスゥゥゥゥッ…!!!!

ズゴォォォッ…!!!!

バギィィィィッ…!!!!

キャンディキャットの猛攻がはじまる。心が折れたWLは完全に防戦一方となった。

ドガァァァァァァァ…!!!!

「がはぁぁぁぁぁっ!!」

強烈な一撃でWLの体は何度も地面にバウンドしながら吹き飛ばされていく。
「…うっ…ぐっ…」
WLは何とか立ち上がるが、キャンディキャットはすぐに間合いを詰めてくる。

ゴォォォォォォッ…!!!!

「がへぇぇぇ!!」

強烈なボディブローを受け、WLは腹を抑え、前屈みになる。
その隙にキャンディキャットはWLを逆さまに拘束し、上空高く飛び上がった。

「…い、嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…!!!!」

ドガァァァァァァァァァァァァァ!!!!

WLの悲鳴と共に急降下すると、パイルドライバーの体勢で地面へと叩きつけた。
WLはまんぐり返しの体勢で地面に突き刺さっていた。足や尻はヒクヒクと痙攣を繰り返している。
「アハハハ!!この格好何?無様過ぎて超絶面白いんだけど!!」
完全敗北したWLの姿を見て、キャンディキャットは大笑いをするのだった。


(6)

「せ~の!!」

スボォォォォッ…!!!

キャンディキャットは逆さまで埋もれたWLの体を地面から引き抜いた。
キャンディキャットはそのままサキュバス式恥ずか固めの体勢をとり、濃厚なレズ責めをはじめた。
オマンコを激しく舐められ、失神していたWLが目を覚ます。
「…なっ…!!ちょっ!!…や、やめてっ…!!」
「きったないケツの穴ね!!30年も使ってると、こうなるのかしら?」
「…ま、まだ…30年も…使ってないわよ…」
「大体30年でしょ!!」
WLはなす術なくオマンコやアナルを一方的に責められていく。さらに飽き足らないキャンディキャットは69や顔面騎乗へと次々に体位を入れ替える。
「…ぐっ…ぐふぅぅぅ…」
「…ん…?」
キャンディキャットはある事に気付く。
はじめは必死に抵抗していたWLだったが、次第に喘ぎ声がこぼれ、遂には恍惚の表情を浮かべているのだ。
「…鳴呼っ…あぅぅぅぅっ…鳴呼~!!」
WLの口からは甘い声が漏れる。制御しようとしても、本能がそれを許さないのだ。
「ねぇ?その声、何?まさか、アンタ、ドMなの?」
「…うっ…うぅ…」
WLは何も反論しない。口を開く余裕すらなく、快楽という沼から抜け出せなくなっていた。
世の中からは高慢で高飛車というイメージが定着しているWLであったが、実は誰も知らない素顔があった。
実際には極度のM性癖の持ち主であったのだ。
「ねぇ?何とか言ってよ?宇宙最強の正義の女戦士が、まさかまさかのドMの変態女だったの?」
「…は、はい…」
WLの口からは弱々しい声が発せられる。
「…私は…ドMで、淫乱な雌ブタですぅぅぅ~。いつも、偉そうな態度を取ってましたが、このみっともない姿が、本当の私ですぅぅぅ~。地球の皆さん、今まで騙してすみませんでした~」
WLがそう告げると、キャンディキャットは深いため息をついてペニバンを取り出した。
「仕方ないわね。これで、逝かせてあげるわ」

ズゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォッ…

「ぐひぃぃぃぃぃぃぃぃっ~!!!!逝く~!!嬉しい~!!超絶うれし~!!もっといじめてぇぇ~!!ケツの穴も~!!オマンコも~!!いっそぶっ壊して開きっぱなしにしてぇぇぇ~!!うひょぉぉぉぉぉ~!!!!」

WLは脳内までも崩壊し、信じられない絶叫を繰り返した。
さらにキャンディキャットの超高速ピストンは加速を続け、WLは完全に逝き果てたのだった。

…。

静寂の中でWLの呼吸が聞こえる。
キャンディキャットは横たわるWLの顔を覗き込んだ。
その手には巨大なハンマーを持っている。
「…な、何を…」
WLに緊張が走る。
「私、おばさんには失望したわ。ムカついたから殺しちゃおうと思ってね」
「…そ、そんな…私の事、子分にしたいって…。…私、キャンディキャット様の部下になります…だから…」
「私、ドMっていう生き物が大嫌いなのよね~。気持ち悪いし、汚らわしいし、生きる資格なしって感じでしょ?」
「そ、そんな…」
WLはダメージを負った体を必死に引きずり、頭を地面に擦り付けて土下座をした。
「…わ、私の負けですぅ…。もう、逆らいません…こ、この通りですぅ…」
WLは舌を出してキャンディキャットの靴をペロペロと舐めはじめた。
「…だからさ、こういうのが、いらないのよ。っていうか、アンタ、土下座しながら濡れてるでしょ?」
「…えっ…?」
WLがふと顔を上げたその瞬間だった。
「この変態!!!!」

ドゴォォォォォォォォッ!!!!

「がふぅぅぅぅ…!!!!」

最重量のハンマーがWLの顔面へと振り下ろされる。
叩きつけられたWLの脳は揺れ、立ち上がる事ができない。
地面を這って逃亡を図るが、キャンディキャットは笑みを浮かべたまま追い掛けてくる。
「ねぇ?それが正義のヒロインの姿?まるでミミズじゃない?情けないわね!!そんな情けない姿晒すくらいなら、私だったら自殺するわ!!ねぇ?アンタにも戦士としてのプライドがあるんだったらさ、もう、死んだ方がマシでしょ?」
それは皮肉にもこれまでWLがバッドバブルの怪人へ言い放っていた台詞だった。
「ひっ…!!」
「まずは、お腹ね」
逃げ場を失ったWLを目掛けてハンマーが振り下ろされる。

ガゴォォォッ!!

「ぐはぁぁぁ!!」

「次は足かな?」

ズゴォォォォォッ!!

「ギャァァァァ!!」

「腕ね」

バゴォォォッ!!

「アギャァァ!!も、もう、やめ…」

「だ~め。もう1回、お腹」

ドゴォォォォォォッ!!

「ぐふぅぅぅぅっ!!」

ガゴォォォォォッ!!

ズゴォォォォォッ!!

バゴォォォッ!!

次第にWLの悲鳴はなくなり、ハンマーの音だけが響く。
「あれ?もう、死にそうな感じ?それじゃあ、次の1発で頭蓋骨を粉々にしてあげようか。派手に脳ミソぶちまけてね」
キャンディキャットはWLの頭目掛けてハンマーを振り下ろした。

…!!

WLの顔面まであと数cm。

その位置でキャンディキャットは手を止めた。
「…と、思ったけど、やっぱ止めたわ。おばさんにはもっとふさわしい死に方があるわね」
キャンディキャットはそう言うと、ワクワクした笑みを浮かべた。


(7)
ここは、世界最大のビジネス街であるブリリアントシティだ。
全長700mのブリリアントタワーという高層タワーが街のシンボルとして、天空へとそびえ立っている。

そのブリリアントタワーの頂上には、宙吊りにされたWLの姿があった。
エネルギーを使い果たし、通常の人間であれば死亡している程のダメージを負ったWLには、もはや飛行能力すら残されていない。

地上の人達がタワーの頂上にいるWLとキャンディキャットに気付き、すぐさま大きな群衆の輪ができる。
「あれって、WLじゃない?」
「嘘?まさか、負けたの?あんなに偉そうな事言ってたのに…?」
「あの娘、誰?新しい救世主?何か可愛いんだけど」
「まぁ、バッドバブルも悪党だったけど、WLはもっと悪かったからなぁ。一応、正義の戦士だったけど」
「世代交代ってやつかな?」
観衆からはそういった声が聞こえてくる。

「どう?こんなにたくさんの人達の前で死ねるのよ。スーパーヒロインの最期って、こんな感じでしょ?」
キャンディキャットはナイフを手に取り、WLの命綱になっているロープを切ろうとした。
「ひぃぃぃぃぃぃぃ~!!」
WLは情けない悲鳴をあげ、失禁した。
「何それ?びびってお漏らし?それとも尿漏れ?下の人達がおしっこで汚れちゃうよ」
「…お、お願いします…。何でもします…。だから、命だけは、助けて下さい…お願いします…」
WLは声を震わせ、必死に哀願した。
「本当、見苦しいわね」
キャンディキャットは仕方なさそうにため息をついた。
「それじゃあ、最期にチャンスをあげるわ。クイズ出しま~す!!この世の中で、一番強いのってだ~れだ?」
「…えっ…?」
「10秒以内に答えてね。10、9、8…」
「あわわわわ~!!キャ、キャンディキャットさんですぅぅ~!!!キャンディキャットさんが、最強ですぅぅぅ~!!」
「…あん?」
その瞬間、ずっと笑顔だったキャンディキャットの表情が真顔になった。
「キャンディキャットさん?キャンディキャット様でしょ!!」
「ひぃぃぃぃ…!!」

スパン!!

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…!!!!」

ドゴォォォォォォォォォォン!!!!

周囲には悲鳴と、激しく地面に叩きつけられた時の轟音が響いた。

世界中が騒然となる中、WLこと川島彩芽は病院へ救急搬送されるが、30分後、死亡が確認されたのだった…。




Bad end…。


最期まで読んで頂き、ありがとうございました。


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