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■タイトル
美成女戦士 セーラーアポロン [No.11667]
■プロット
【概要】
O-20(20歳以上)セーラー戦士ものを希望する方向けの作品。
GIGAさんのセーラー戦士系スーツの質感、ミュージカル版に近い雰囲気、演者の息遣いを感じさせるカメラワークや照明を意識。
【プロット】
登場人物
日崎 ひな (20歳)
大学2年生。銀河台学園大学に通う傍ら、アイドル活動もこなすダンスの得意な学生。幼少期からの芸能レッスンにより、何事にも一途にのめり込む性格。仕事や勉強はできるが、それ以外のことは(基本的に)不得手。乙女。
セーラーアポロン
ひなが変身する、女子大生セーラー服戦士。セーラー○ーズのコスチュームを基調とし、髪は赤寄りの黒髪。変身ペンを通し「アポロンガデスパワー メイクアップ!」の掛け声で変身。
弱点:
セーラー戦士のリボンをほどかれると、セーラースーツの密着が緩み、維持できずリボンレオタード状となり変身が解ける。変身途中であっても同様。通常攻撃は効かないが、弱点属性攻撃(水・氷)や性的ダメージを受けるとコンディションが低下。一定以下になると「伝説の戦士の加護」が失われ、黒髪と私服姿の「脆い女子大学生」に戻る。
今回の敵
戦闘用下級妖魔999号
最下級の戦闘妖魔だが、セーラー戦士を倒すための研究を怠らない。セーラーアポロンの熱烈なヲタクであり、「憧れであり、倒すべき対象」。
表の顔(普段の姿):
名乗り: セーラー服美少女戦士ヲタク
立場: 視聴者(TV/動画サイト/サブスク常駐)
ハンドルネーム: @Yoma\_999(評論・考察系)
口癖: 「変身は“尺”なんだよね」「中間フォーム? いらない。完成形に直で行こう」「儀式って“没入”じゃなくて“作業”でしょ?」
外見:感じの良いオタク。丁寧語で褒めるが、話題は常に「効率」「洗練」「テンポ」「尺」に偏る。
能力:「儀式の切り捨て」
殴り合いよりも、変身そのものを破壊することに特化。
1. スキップ結界《オープニング省略圏》:変身バンクに入った瞬間、空間がUI化。「次へ」「10秒早送り」「×2.0」ボタンが浮かび、勝手に変身が“飛ぶ”。中間形態が存在できず、変身が“途切れる”。心が追いつかず、技のキレが落ちる。
2. 断結刃《カットエディター》:鋏のような光刃で、“結び目”だけを切る。戦士の胸元のリボン、髪飾り、誓いの象徴を狙う。
3. コメントノイズ《批評の霧》:周囲に「冷笑コメント」のような文字の霧を散らす。「それって古くない?」「視聴者置いてけぼり」「儀式に意味ある?」といった言葉で、攻撃力ではなく自己否定を戦士の心に突き刺す。
目的: リボンレオタードの“役割”を世界から消すこと。「変身の途中は未完成。未完成は恥」「感情の切り替えはテンポを落とす」「誓い? 設定? それより“見やすさ”」という思想を持つ。狙うのは身体ではなく、“変身という儀式=心の切り替え”そのもの。
誕生経緯:“倍速・スキップ文化”が生んだ妖魔
元はセーラー戦士を愛する「ガチ勢」の視聴者。動画サイトやサブスクでの「効率化」を優先する視聴習慣が、愛を「分析」へ変貌させた。アルゴリズムに「長い儀式は離脱される」「テンポが正義」と囁かれ、知らぬ間に作品の「心臓部」を削る存在に。数万人、数十万人の「スキップされた10秒」が集合し、宿主の端末から滲み出した「妖気」が具現化。つまり、視聴者の指が押したスキップの集合体。
戦士側への刺さり方(ドラマの芯)
「変身が長いの、恥ずかしい?」
「途中の自分は“未完成”?」
「誓いは“演出”?」
――戦士が迷った瞬間、リボンレオタードは薄くなり、完成形だけが先に出て、心が置き去りになる。強く見えるのに、脆くなる。
---
【本編】
夜空に瞬く、人工衛星の灯りが煌めいていた。ひなは、大学の課題に追われ、深夜まで自室でPCに向かっていた。銀河台学園大学の2年生。アイドル活動と学業を両立させる彼女の日常は、一見すると充実しているように見える。しかし、その瞳の奥には、幼い頃から叩き込まれた「完璧」への希求と、それ故の不器用さが潜んでいた。
「はぁ…このレポート、あと3時間はかかりそう…」
ため息をつきながら、ひなは頬杖をついた。息抜きに、お気に入りのセーラー戦士アニメを再生する。彼女が愛してやまない、伝説の戦士セーラーアポロン。その華麗なる変身シーンは、何度見ても飽きることがない。しかし、最近の彼女は、その変身シーンにさえ、ある種の「効率」を求めてしまう自分がいた。動画サイトのおすすめ欄は、常に「〇倍速視聴」「変身シーンスキップ術」といった動画で溢れている。
「…でも、やっぱり、あの変身バンクは最高なんだよな」
そう呟きながらも、指先は無意識にマウスカーソルを「10秒スキップ」のボタンに這わせる。そんな時だった。
『アポロンガデスパワー メイクアップ!』
ひなの変身ペンが、彼女の意思とは裏腹に、淡く輝き始めた。窓の外に、淡い光の渦が発生する。まずは、セーラーアポロンへと変身するための、あの荘厳なバンク映像が流れ始める。しかし、その映像は、ひなが知っているものとはどこか違っていた。
「あれ…? いつもより、映像がカクカクしてる?」
映像の合間に、不自然な「空白」が挟まる。まるで、意図的に編集されたかのように。そして、セーラーアポロンのコスチュームが形作られていくはずの箇所で、画面が不意に暗転した。
「な、何…!? 中間形態が…ない!?」
通常であれば、セーラーアポロンの変身は、いくつかの段階を経て完成される。しかし、今、その過程が、まるで動画の「カット」のように、綺麗に消失していた。ひなは、変身の途中で、まるで「置いていかれた」ような感覚に陥った。
「嘘…でしょ…?」
変身が完了したセーラーアポロンは、確かにそこにいた。しかし、その姿には、かつてないほどの「未完成」感が漂っていた。胸元のリボンは、どこか締まりがなく、セーラースーツの密着感も心なしか緩い。
「どうして…? 私、ちゃんと…」
混乱するひなの耳に、どこからか、冷たい声が響いた。
『変身は“尺”なんだよね』
「誰…!?」
声の主を探そうとするが、姿は見えない。ただ、彼女の周囲の空間が、まるでPCの画面のように、UI化していく。
『中間フォーム? いらない。完成形に直で行こう』
「それは…! あなた、まさか…!」
ひなは、その声の主が、かつて自分が熱狂していた、セーラーアポロンの「ヲタク」であることを悟った。動画サイトで「評論・考察系」を名乗っていた、あのハンドルネーム。「@Yoma\_999」。しかし、その口調は、かつての熱狂とはかけ離れた、冷徹な分析家のそれに変わっていた。
『儀式って“没入”じゃなくて“作業”でしょ?』
「そんな…! 変身は、私にとって…!」
「「アポロンガデスパワー メイクアップ!」」
もう一度、変身の掛け声を発しようとした。しかし、その言葉は、ひなの口から上手く紡ぎ出されなかった。まるで、言葉そのものが「カット」されたかのように。
『スキップ結界《オープニング省略圏》!』
妖魔の声と共に、ひなの周囲の空間が、さらに加速してUI化する。画面には、「次へ」「10秒早送り」「×2.0」といったボタンが浮かび上がる。そして、ひなの意思とは無関係に、映像が勝手に「飛んで」いく。
「や、やめて…! 私の、変身を…!」
ひなの悲痛な叫びは、しかし、虚しく響くだけだった。妖魔は、まるで動画編集ソフトを操作するかのように、ひなの変身プロセスを「編集」していく。
『断結刃《カットエディター》!』
妖魔が両手に鋏のような光刃を出現させる。狙うは、セーラーアポロンのコスチュームの「結び目」。胸元のリボン、肩の装飾、そして、セーラースーツの要となる部分。
「あっ…!」
ひなの胸元のリボンが、妖魔の刃によって、綺麗に切り裂かれた。セーラーアポロンのコスチュームは、その密着性を失い、まるで劣化したレオタードのように、だらりと緩んでいく。
『コスチュームの“繋ぎ目”は、テンポを悪くするだけ。邪魔だ』
「う…あ…!」
ひなは、身体の自由を奪われるような感覚に襲われた。セーラーアポロンとしての力が、急速に失われていく。変身の維持に必要な「伝説の戦士の加護」が、その「結び目」の消失と共に、霧散していくのを感じた。
『コメントノイズ《批評の霧》!』
妖魔が周囲に、無数の文字が飛び交う霧のようなものを散布する。それは、まるで動画サイトのコメント欄のようだった。
「それって、古くない?」
「視聴者置いてけぼり」
「儀式に意味ある?」
「や、やめて…! そんな、ひどい…!」
言葉の一つ一つが、ひなの心に鋭く突き刺さる。それは物理的な痛みではない。しかし、それ以上に心を蝕む、精神的な攻撃だった。
「私の…変身は…そんなに、無駄なものなの…?」
ひなの変身前の黒髪が、ゆっくりと伸び始める。セーラースーツも、その輝きを失い、いつもの女子大生の私服へと戻っていく。
「嘘…だろ…? まだ…まだ、変身途中なのに…!」
ひなの身体は、セーラーアポロンから、日崎ひなへと、脆く、無防備な姿へと戻りつつあった。本来、変身が完了していれば、通常攻撃ではダメージを受けないはずの身体が、今はあらゆる攻撃に対して脆弱になっている。
「なぜ…どうして、私の変身を…」
『目的、リボンレオタードの“役割”を世界から消す。変身の途中は未完成。未完成は恥。感情の切り替えはテンポを落とす。誓い?設定?それより“見やすさ”』
妖魔は、静かに、しかし確信を持って語る。その言葉は、ひながかつて、動画サイトで「評論」として目にした、数々の言葉と重なっていた。
「あなた…あなたが、私を…!」
ひなは、妖魔の正体に気づいた。それは、かつて、セーラーアポロンを誰よりも愛し、その魅力を熱く語っていた、あの「ヲタク」だった。しかし、その愛は、いつしか「分析」へと変わり、さらに「効率」を求める歪んだ形へと変貌していた。
「僕が、君を『正しく』してあげるんだ。無駄な部分を、削ぎ落としてあげる」
妖魔は、ひなの胸元に手を伸ばす。そこには、かろうじてセーラーアポロンのコスチュームの面影を残す、リボンレオタード状の布地があった。
「…や、やめ…!」
ひなの悲鳴は、しかし、妖魔に掻き消された。妖魔は、そのリボンレオタードを、まるで動画の「不要なシーン」を削除するかのように、乱暴に引き剥がした。
『これで、君は“完成形”に直行できる』
その言葉と共に、ひなの身体は完全に、ただの女子大生、日崎ひなへと戻った。セーラーアポロンとしての力は、完全に失われていた。
『さあ、君の“作業”の続きを始めようか』
妖魔は、ひなの顔を覗き込む。その瞳には、かつての「憧れ」ではなく、冷たい「分析」の光だけが宿っていた。ひなは、抵抗する術もなく、ただ、その異様な光景を、呆然と見つめるしかなかった。
(HAPPY then BAD END)
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